(闇うさぎ)
~第4章~
第10話:ばばあは、オレの隣りに居続けた。
そういやあ、オレ
すっげえ、のどが渇いてたんだわ
ばばあは、すぐにまた
皿に水を足してくれた。
『うさぎさんは、他に何がお好きかい?
金時いもも、好きだわね?』
金時いもも、旨かった。
ばばあは皿が空くたび、オレに食べ物を出し続けた。
フゥ~、腹がいっぱいになっちまったわ
いたれりつくせりで、じつに良いばばあじゃねえか!!
『うさぎさんは、他に何がお好きかい?』
腹いっぱいになっても、
ばばあは、オレの隣りに居続けた。
だからよ!
オレはもう、腹いっぱいだから!
食べられねえって、言ってんだわ!!!
食べ物をことわると、
ばばあは、皿に水を足しまくった。
ばばあは、なぜか離れない…
テーブルの向かいに座り、
オレをじっと見つづけた。
こんのばばあ!いい加減にしろよ?!
もう、いらねえって!言ってんじゃねえか!!!!
・・・。
ばばあは、聞こえないふりをした。
ハァ?!!!!
その時…
!!!!!
『ゥウ!!! ゥオォンウォンォオオオン!!!』
向こうから、いぬの吠え声が聞こえた。