(闇うさぎ)~第3章~第81話:起こしてあげなきゃ。

短編つぶやき小説

(闇うさぎ)
~第3章~

81話:起こしてあげなきゃ。


 

オレはスコップを、力いっぱい床に突き刺した。

 

!!!!!!

#イデデデデッ

 

背中に激痛がはしった。

 

?!!

 

あれっ?!

オレの怪我、治ってなくねえ?!!

 

!!  !!  !!

桃の種たちはカタカタ笑い、

一斉にしゃべりだした。

 

『とぅです、治ってまてぇん!』

『とぅ簡単に早く、治りまとぅえんよ!』

『体力を使いすぎないカラダがいいって、ご主人たまが願ったんじゃないでとぅか!』

『効率よく治療するために、

今のうちに、ご主人たまのこころの畑を耕してしまいまとぅ!』

 

!!

そう言うと、イカツイ桃の種がオレのスコップをとり上げた。

『手伝いまとぅから!』

『ご主人たまは足で耕してくだたい。』

 

!!!!!!

#えっせ

#わっせ

 

他の種たちはカラダを回転させ、とがった尻を床にねじりこもうとした。

 

『あああぅっ!!!

硬い!硬すぎまとぅ!

全然、刺さりまてん!』

 

桃の種たちの尻が、ポロポロ割れた。

 

!!

ま、まさか…!

 

『待っててくだたい~

いまボク達も、大きくなりまとぅ…』

#えいっ

#えいっ 

#えいっ

 

欠けた桃の種が、みるみるうちにデカクなり

オレは大量の桃の種に取り囲まれた。

 

『ボク達、こんなにいるのに…これじゃあ、畑に潜れまてん!』

『ご主人たま!
なんでこんなに、こころの畑が硬いんでとぅか?!!』

『畑のお手入れ、してないからでとぅ!』

『お水や肥料を入れて、かき混ぜないと!』

『そうだ!あまぐも たん!

あまぐも たんを呼んじゃいまとぅ!!!』

 

えっ?!!

あまぐも たん??!

 

#カチッ

 

あっけに取られているうちに、桃の種たちが一斉に、叫びだした。

 

『あまぐも た~ん!あまぐも た~ん!』
『でてきてくだたい!あまぐも た~ん!』

 

!!!!!!

エレベーターみたいなドアが開いた。

 

 


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