(闇うさぎ)
~第3章~
第80話:ご主人たま!
『ご主人たまの心の畑に、桃の種を植えまとぅ』
?!!
うわっ、何だこいつ…?!!
今、なんつった??
心の畑に…
桃の種を植えまとう….??
!!!!!
はぁぁああっ?!
おめえ、何者だ?!!
『イヤだな~、ご主人たま!
ボクをお忘れでとぅか?!
桃の種でとぅ!
さっき、ボクを食べたでとぅ?!!』
!! !!
そいつは、カタカタ体をゆすり
床に転がると…
!! !! !!
床に、頭を打ち付けた。
『痛いっ!痛いっ!
頭が割れそうでとぅぅぅ!!!』
桃の種は、床で暴れた。
『ご主人たまは、心の畑が硬すぎまとぅ!
・・・
あああぅっ!!!』
桃の種の頭がポロポロ割れた。
!!
おいっ!大丈夫かっ?!!!
オレは桃の種をひっくり返し、頭を押さえてやった。
『なんちゃっとぅえ~!!!』
『待っててくだたい~
いまボク達も、大きくなりまとぅ…』
?!!
床から声が聞こえた
#えいっ
#えいっ
#えいっ
?!!!
#こっ
#これはまさかっ
かけ声に合わせて、
割れた種のかけらが、むくむくとふくらんできた…
『ご主人たま、お待たて~!』
オレは、7つのデカい桃の種達にかこまれた。
『ボク達はこのとおり!増やし放題でとぅ!
ご主人たまの心の畑を柔らかくして、植えられるようにいたしまとぅ!
そしたら、
美味しい桃が食べ放題でとぅよ!!!』
えっ?!!
美味しい桃が食べ放題?!!
オレは耳を疑った…
でも、ここ畑じゃねぇし!
ただの床だろっ?!!
『畑でとぅよ!
だってボク達、こんなに砂まみれ~』
!! !! !!
桃の種たちは笑った。
たしかに、
こいつらの体…
粉吹いみてぇに、真っ白だ…
『食べ放題でとぅよ!!!
さっさと、心の畑を耕しちゃいまとぅ!
そこの棚に、畑道具も入ってまとぅから』
?!!
後ろに棚があった。
棚の中には、
スコップ、鎌、鍬、ジョウロ、一輪車…
他にも、見慣れない畑道具が色々とはいっていた。
!!
オレは、棚からスコップをとり出し
!!!!!!!
力いっぱい床に突き刺した。