(闇うさぎ)
~第3章~
第79話:眠っておるだけじゃ。
オレは急な睡魔に襲われ、目の前が真っ暗になった。
?!!
なんだ?
停電か??
あれっ…
確かオレ、外にいたよな?!
!!!
おいっ、じじいっ!
これは、どういうことだ?!!
・・・。
返事がなかった。
じじいっ、いねえのか?!!
う…うさぎくん?!!
うさぎくんはいるだろう!!!
・・・。
返事がなかった。
『ご主人たま~…』
近くで声がした。
???
ん…誰の声だ?いぬかっ??
いやっ、
こんなに高い声じゃなかったような…
!!!
つーかオレ、いぬ語なんて知らねえしっ!!
『ご主人たま~、聞こえまとぅか?
いま、電気付けまとぅから~』
#カチッ
?!!
急にまわりが明るくなった。
!!
どこだ、ここ?!
オレは見慣れねえ部屋の中にいた。
真っ白い壁に囲まれた、
エレベーターみたいに小さな部屋…
キョロキョロしてると、また声がした。
『待っててくだたい~
いまボク、大きくなりまとぅ…
えいっ…えいっ…えいっ…』
?!!
かけ声に合わせて、
床に落ちていた茶色い物体が、むくむくとふくらんできた…
?!!
うわっ、何だこれ?!!
???
これ、もしかして…桃の種じゃねえ??
#えいっ
#えいっ
#えいっ
茶色いやつは、
オレの背丈くらいまでデカくなった。
『ご主人たま、お待たて~』
それからそいつは、
体をゆすってオレに言ったんだ。
『ご主人たまの心の畑に、桃の種を植えまとぅ』