(闇うさぎ)~第3章~第65話:オレは耳をふさぎたかった。

短編つぶやき小説

(闇うさぎ)
~第3章~

65話:オレは耳をふさぎたかった。


 

!!!!!!!

 

オレは、耳を疑った。

 

好きになるのは無理…?

めんどくさい…??

全部、オレがいけない…??!

 

はっ?!!

 

はぁぁあっ?!!

 

オレの可愛いもるちゃんが

オレに、そんなひどいことを…

言うはずがねえじゃねえか!!!ハハハ

嫌だなあ、もう!

もるちゃんってば、冗談がすぎるぞっ

#男うさぎを

#からかっちゃいけねーわ

 

#カンッ

 

冗談じゃないのは、あんたよ!

 

!!!!!!

 

うん!

オレの聞きまちがいに違いない

 

どうやら、

耳クソが詰まっちまったみてえだな!!!

#ふぅ

#まったく

#しょうがねえ耳だわ

 

!! !!

 

オレは耳クソをほじろうと思ったが、

両手が挟まって動かせなかった。

#イタタタッ

 

#カンッカンッ

 

ホント、めんどくさいわねっ

聞こえてんでしょ!!!』

 

まったく、しょうがねえな!!!

#じじいめっ

#オレの腕を

#挟みやがって

さっさと抜きやがれ!!!
#ググッ

 

#カンカンカンッッ

 

『あんたのせいだって言ってんの!

ちゃんとした桃を、

さっさと出しなさいよ!!!』

 

その時、こころの中にじじいの声が聞こえた。

 

『闇うさぎよ。

残念じゃが、現実を受け止めるのじゃ。

わしにも、聞こえるからのう…』

 

!!!!!

うるせえよっ

クソじじい!!

 

オレには!!

聞こえねえっ!!!

 

!!!!!!

#聞こえねえっ

#聞こえねえっ

#聞こえねえっ

 

なみだが、ぼたぼた垂れた

 

オレは耳をふさぎたかった

 

なみだが止まらなかった

 

う”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”

う”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”

 

!!!!!!

 

#見んなよっ

#グゾじじいっ

#オレ

#泣いでねえじっ

 

う”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”

う”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”

 

!!! !!!

じじいは袖口から

そろりそろりとオレの腕を取り外し

ちゃんちゃんこを脱いで、

オレに持たせてくれた。

 

『そろそろタイムリミットじゃ!

うさぎのところに

急いで行かねばならんからのう。

おぬしはしばらく、

わしの体の中に入っておれ。

大丈夫、恐がることはない。

なかは、とても快適じゃ』

 

じじいはつかんでいたオレの手を、

そっと離した。

 

うるせえっ

入れっつーなら、入っててやるわ!

 

!!

 

 

#オレは

#じじいの胸の中で泣いた

 


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