(闇うさぎ)
~第3章~
第61話:助けに行かなきゃっ!!!
その時…オレの体が浮いた。
『ここは危険じゃ。急いで逃げるじょ』
!!
『動けんと、足手まといになるからの。
おぬしらは、わしの体の中に入っておれ!』
じじいはそういうと、
赤いちゃんちゃんこ、の前をはだけた。
『胸ポケットオンじゃ!!』
じじいは、いぬに言った。
『おぬしが先に、見本を見せてやるのじゃ』
ウォウォ…?!
いぬは驚いた顔で、じじいの顔を見た。
『闇うさぎよ、良く見ておくのじゃぞ。
恐がることはない、なかは快適じゃ』
ウォ…ウォッ…
じじいはいぬをひょいと拾い上げ、ポ~ンと胸の中に放り投げた。
…キャンッ
?!!
いぬはじじいの体の中に、跡形もなく消えていった。
『心配せんでよい、大丈夫じゃ。
またあとで、出られるからの』
じじいはにこやかに笑い、
オレのからだを胸に押しつけた。
は??!
このじじい…何言ってやがる??
オレ、もるちゃんと話しがあるんだが??!
!! !! !!
オレのからだが…
ずぶずぶと、じじいの胸の中にめりこんでいった…
このくそじじいっ、よけいな事しやがって!!!
オレ、もるちゃんと…
やっと話せるようになったのに!
テメエの体なんかに、吸い込まれてる場合じゃねえんだよ!!!
!!!!!!!
オレはじじいの、ちゃんちゃんこをつかんだ。
#イテテテッ
背中に激痛が走った。
このオレが…こんなことで…
諦めるわけないだろう…!!
ピクピク… …
萎縮した筋肉が
エンジンをかけるように動きだした。
オレの恋路を
邪魔するやつは…
上腕二頭筋からの三頭筋…
三頭筋からの四頭筋…
四頭筋からの…
アクセル…噴火!!
馬に蹴れれて…跳んでっちまえぇぇぇぇいっっ!!!!
うぉりゃぁぁぁああああっ!!!!!
!!! !!!
オレはちゃんちゃんこの袖口に、両手を突き刺した。