(闇うさぎ)
~第3章~
第54話:彼女が、オレに会いに来た。
『こりゃあ、何ごとじゃ?』
?!!!!!
じじい…いつの間に?!
オレはじじいの腕に、抱えられていた。
『あのデカいのは、なんじゃ?
こっちに來とるじょ』
ウォ…ウォン!!
『いぬよ、おぬしの仕業じゃな』
ウォ…ウ~…
!!!!!!!
も…
もるちゃんっっ?!!!!
オレの目にも、ハッキリと見えた。
高い木々を蹴りたおし、
山のようにデカくなったもるちゃんが、
オレの方に向かって走りこんでやってくるのを。
もるちゃんっ
オレに…
会いに来てくれたのか?!!
!!
オレ達…
やっぱり
両思いじゃねえ?
#ゴゴゴゴゴッッ
#ゴゴゴッッ
もるちゃんは、オレの前でピタリと立ち止まった。
!!!!!!
キューキューッッ!
!!!!!
じじいっ
オレをおろしてくれ!
オレ、彼女と話しがあっからよっ
ウォン!ウォンウォン!!
『この桃か?
悪いが、この桃はやれんじょ』
キューキューッッ!!
ウォウォッ!ウォウォン!!
『そう言われてものう。
闇うさぎが怪我をしておって、
こいつに食べさせんといかんのじゃ』
!!!!!!!!
ちょっと待てぇええええいっ!!!
ピキィィーーンッ…
#ゥッ
オレは、じじいの腕を振り払った。
オレ…
怪我なんて、してねえし
ほれ、このとおり…
#ギュッ
!!!!!
#イデデデデデッ
#全然っ
#痛ぐねえしっっ
キューキューッッッ!!!
!!!!!!
じじいっ、下ろせっ!
だから!!下ろせって!!!
オレは男の中の男うさぎっ!!!!
彼女の前で、
こんなみっともねえ姿!!!
見せられるわけがねえだろうよっ!!!!!!
オレはじじいの腕を、振り払い
地面に跳び降りた。
!!!!!!!!
イデデデデデデッ…!
全然、痛くねえしっっ!!!
その時だった。
!!!
もるちゃんのデカい手が、
ギュンと、高く上がった…
キィィイイイーッッッ!!!
もるちゃんは、デカい手を激しくふりかざし
じじいに、つかみかかった。
?!!!!!!!