(闇うさぎ)
~第3章~
第48話:オレは、自分の目を疑った。
!!!!!!!
オレは、いぬとぶつかっていた。
#イデデデッ
いつの間にか、
オレのカラダの回転が止まっていた。
急にとび出してきたら、危ねえじゃねえか!!!
・・・。
いぬの返事がなかった。
??!
おめえ!大丈夫か?!
いぬは腹を抱えて倒れていた。
!!!!!!
腹が痛えのか?!
見せてみろっ!!!!
オレはいぬを仰向けにひっくり返し、腹を見た。
!!!!!!
胸毛と腹毛が
むしり取られたように抜けていた…
そして、
ピンク色の素肌に、血も少し滲んでいた。
!!!!!!!
うっ
こ、これは…
すげえ痛えやつだ…!!!!
オレは、乾布摩擦しすぎた時のことを思い出した。
そうだわ、オレには分かる
こりゃあ痛えわ…
オレも前に、背中を擦りすぎちまって
痛てえし、寒いし、恥ずかしいで大変だったんだわ。
#毛が生えるまで
#時間もかかるしなあ
オレはいぬに同情した。
じっとしてろよ、いま治してやるからな。
血が出た時は、消毒しねえと。
!! !!
オレは両手の肉球に、ツバをつけた。
『ウォン?!!』
!!! !!!
いぬは、オレの腕を蹴った。
いやいや!
痛くしねえって!
恐がらなくて良いから!優しく塗ってやるからよ!!!
『ウォン?!!ウォンウォン!!!』
いぬが、オレの腕を両足ではさんだ。
#ググッ
#グググッ
こいつ…
オレが治してやるっつーのに、抵抗してやがる!!!!
どんだけ、恐がりなんだ!!!!!
#まったく
#しょうがねえな
オレも両足で、いぬの足をはさんでどけてやった。
#グッ
#グググッ
その時だった…
『ウォン! ウォウォン!! ウォン!!!』
いぬが大声で叫び、自分の腹に両手をあてた。
!!!!!!!
オレは、自分の目を疑った。
いぬの両手をあてた部分が、赤く光りだし…
ピンク色の腹から、少しずつ毛が生えてきた。