(闇うさぎ)~第3章~第44話:おかげでボクね、毎日幸せだよ。

短編つぶやき小説

(闇うさぎ)
~第3章~

44話:おかげでボクね、毎日幸せだよ。


 

ここ…どこよ??!

 

そこには、見慣れない景色が広がっていた。

 

山ごもりのプロであるこのオレが

知らねえ山があるなんて…

 

オレん家を取り囲むように、四方に連なった山々…

 

そうさ…オレは、山ごもりのプロ!

オレの目に、狂いはないはず!!!!

こんな景色は、オレ、見たことねえしっ!!!!

 

オレはもう一度、叫んだ。

 

もるちゃぁぁんっ

 

#ちゃぁぁんっ

 

オレはぁぁぁあっ

ここにいるよぉぉぉおおおっ

 

#いるよぉぉぉっ

 

・・・。

 

 

・・・。

 

おい!!!クソいぬぅぅぅううっっっ!!!

 

#ぬぅううっっっ

 

どこ行ったぁぁぁああっ

 

#たぁああっ

 

はやく迎えにこぉぉぉぉいっっっ

 

#こぉぉぉいっっっ

 

#ウォンウォンウォ〜ン

 

#ウォンウォンウォ〜ン

 

#ウォンウォンウォ〜ン

 

!!

ん?!!

 

ーーーーーーーーー

〜山ごもりのプロ、オレの回想シーン〜

 

オレは、男の中の男うさぎ!

山ごもりのプロでありっ

近所中の山頂からの景色を、オレは四方八方くまなく覚えている!

それだけは、オレのプライドを持って確実に言えるっ!!!!

 

なぜなら、オレは今まで

嫌なことがあるたびに

山にこもり、修行を繰り返していたのだから!!!!

 

近所中の山を手当たり次第に登り詰め、山を制する達成感…

山の頂きから、オレは何度も叫んだ。

 

馬鹿野郎!クソ野朗!アホんだら〜っっ!!!

オメエなんか、

でべそ膨らましてどっか飛んでっちまぇぇえええぃっ!!!

オレの方が…断然、頑張ってるしっ!

全然!オレの方が、格上だからぁぁあっ!!!!

絶対許さねえっ!!!!

いつか、見てろっ

見返してやるからなっ

それまで精々、指加えて笑っていやがれ!

アホんだらどもめ〜ぇぇええええぃっ!!!!!

 

そしてオレは耳を澄まし、やまびこの帰りを待った。

 

・・・。

 

#め〜ぇぇええええぃっ

 

#よしっ

#返ってきたか

 

まだまだ、もう一度!!!

 

馬鹿野郎!クソ野朗!アホんだら〜っ!!!

 

#だら〜っっ

 

 

前に叫び、後ろに叫び、右に叫び、左に叫び…

 

山頂からの360度を、オレはくまなく体をまわし

気が済むまで叫びつづけた。

 

!!!!!!!

 

ブハハハハハッ

あいつら、これで参っただろう!

こんだけ叫べば、あいつらに制裁がくだるに違いないっ!!!

#ウンウン

#神様はオレのこと

#ちゃんと見ているのだからっ

 


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