(闇うさぎ)~第3章~第38話:この桃で桃パフェを作ったら…!

短編つぶやき小説

(闇うさぎ)
~第3章~

38話:この桃で桃パフェを作ったら


 

うさぎくんは

オレのノートを見たあと、

目をつぶり、一気に桃にかぶりついた。

 

!!!!!

 

『うわっ 甘いっ

この桃、甘すぎるよ!!!!』

 

そうだろ!すげえ甘えだろ!

オレの桃だって、すっげえ甘かったぜ!!

 

こんなに旨けりゃ、

デカくても

いくらだって食べられちまう!!!

 

オレは、ヨダレが垂れてきた。

 

#クソッ

オレも、もっと食べたかったぜ!

 

#モグモグッ

#モグモグモグッ

 

うさぎくんは、桃に夢中でかじりついた。

 

が…

しばらくすると、

途中でピタリと動きが止まった。

 

?!!

どうした、うさぎくん?!

やること、忘れちまったのか??

 

桃を褒め終わったら、次は感謝の気持ちだろ?!!

 

!!

!!

!!

#ほれっ

#ノートを

#見てみろよっ

 

オレはうさぎくんの顔のそばで、ノートを叩いた。

 

?!!

 

しかしながら、うさぎくんは

桃を両手で握りしめ

桃を見つめたまま、みじろぎひとつしなかった。

 

おいっ!!

うさぎくん!!!

 

どうした?!

おめえ、まさか…

もう、腹いっぱいになっちまったのか??

 

おめえ、まだ

4分の1も食ってねえぜ?!

 

まったく…

うさぎくんってば、しょうがねえなっ

 

そんなんだから

おめえは、筋肉が少ねえんだわ!!!

もっと、たくさん食わねえとっ

 

!!

!!

!!

オレは、うさぎくんの腹に

チョップを入れて、刺激を加えてやった。

 

!!!

#よしっ

#これでどうよっ

 

おそらくこれで、

腹にだいぶ空きが出来ただろう!

 

??!

 

しかしながら、うさぎくんは

それでもまったく動かなかった。

 

『ふぉっふぉっふぉ。

こやつの集中力は、なかなかのものじゃ。

なにを考えているか、

ちと、覗いてみようかの』

 

じじいは、

うさぎくんに近づき

そっと息を吹きかけた。

 

#ふぅふぅふぅ

#ふぅふぅふぅ

#ふぅふぅふぅ

 

!!

 

『ふむっ、桃パフェとは…

こりゃあ、実に旨そうじゃわい!

こやつは、料理が好きなのか?

頭の中が、桃の調理方法であふれておるが』

 

?!!!

 

ハァァアアッ?!

桃パフェ?!!!

 

!!!!!!!

うさぎくんっ

こんな大事な時に

おめえ、何考えてんだっ!!!!!

 

集中するなら、願い事に集中しろよっ!

料理のことなんか考えてる暇は、1秒たりともねーんだよ!!!

今は、時間との勝負なのだからっ!!!!!!

 

おい!うさぎくんっ

早く食べねえと

この桃、効果がなくなっちまうんだろ?!!

早く!!

さっさと早く食えって!!!!!!

!!!!!!

!!!!!!

!!!!!!

オレはノートを叩きまくった。

 

じじいは、

うさぎくんの頭の中をのぞき続けた。

 

『うむ…

見れば見るほど

実に、旨そうな料理じゃ…

うさぎのやつ、こりゃあ、

ばあさんと話しが合いそうじゃの。

 

・・・。

 

ばあさんも、

料理が得意なおなごでのう…

 

ばあさんの手料理を食べるのが

わしゃ、楽しみで、楽しみで

いつも、ご飯の時間が来るのを楽しみに待っとった。

 

・・・。

 

ばあさんの手料理が、また食べたいのう』

 

!!!!!

#ワンワン

#ワンワンワン

 

その時、いぬが吠えた。

 

じじいがうなずいた。

 

『分かっておる。

そろそろ時間かの?

!!

うむっ

こりゃあ、変色がはじまって来とる。

急いで食べんと、桃の効果が出んのう』

 

!!!!!!!

 

ぇええええっっ

もっ、もう?!!!

 


うさぎとの会話≫                       目次              闇うさぎ・次のお話しへ≫

タイトルとURLをコピーしました