(闇うさぎ)
~第3章~
第24話:ボクは、どんなボクになりたいんだろう。
#なにぃぃぃいいっ
時間を止める?!!!
このいぬ、
そんな技をつかえるのか?!!
ウソだろ?!
そんな技、
使われちまったら
このオレ様の
強靭な肉体からの攻撃が、
簡単にかわされちまう…
#ずりぃ
#そんなの反則技だわ
?!!!
ハッ??
時間を止めて、
好きな娘の顔を見る?!!
まさか、おめえ
ハレンチなことでも
考えてんじゃねえだろうなっ!!!!
!!!!!
#ワンワンッ
いぬがブルブルと、首を振った。
『そんなことは、しない。
考えもしなかった…
いぬは、
そう言っておるぞ。
ふぉっふぉっふぉ。
こやつは、おまえと違って
バカ真面目だからのう』
?!!!
ハッ??!
考えもしなかった?
そんなの、
ちょっと考えれば、分かるじゃねえかっ!
それに、
こいつの瞬き、すげえ早くなったぜ。
こりゃあ、
絶対、ウソついてる顔だわ!!!
!!!!!
#ワンワンッ
#ワンワンワンッ
いぬは
猛スピードで、首を振り続けた。
『ボクは、神様に誓って
そんなことはしない。
この桃のチカラは、
誰かの迷惑になるようなことに
使ってはいけないんだ。
そう言っておるぞ。
ふぉっふぉっふぉ。
こやつは、
本当に真面目だのう。
だからこそ、
わしはこやつに
桃の管理を任せたのじゃが』
!!!!!
その時、
うさぎくんが
まぬけな質問をした。
『キミたち、両思いじゃ??
もしかして、
キミも片思いなのか?!!』
うさぎくんの質問に、
いぬの顔がどんどん赤くなっていった。
そんなの、
片思いに決まってるじゃねえかっ!!!
両思いだったら、
時間なんて
止める必要ないのだからっ
#まったく
#せこい野郎だぜっ
オレがつっこんでやってると、
うさぎくんの口から
信じられない言葉がとびだした。
『ボク、
いぬくんの言葉が
分かるようになりたいな!!!!
そしたら、
いぬくんと2匹っきりで
直接、話しができる…!!!』
おい、うさぎくん!!!
恋の話しなら、
オレに聞きたまえっ
オレが何でも、
キミに、教えてあげられるのだからっ!!!!
それにキミ…
もっと頭をつかわないと!
通訳は、じじいにまかせて
みんなが持ってない能力を
身につける方が、得策だっ!!!
しかしながら、
うさぎくんは、分からず屋だった。
うさぎくんは首を振り続け、
いぬくんと話してみたいの一点張り。
!!!!!
まったく…
うさぎくんは、
頑固すぎて困っちまうぜ。
オレの言葉に、じじいが言った。
『それなら、
こんな願いごとはどうじゃ。
「すべての生き物と、
話しができるようになりたい」
これなら、
この世の中に共存する
命あるすべての生き物と話しができる。
わしの能力じゃ
動物たちの言葉くらいしか、分からんからのう』