(闇うさぎ)
~第3章~
第7話:桃のチカラ。
ゆっくり食べて、
見せつけてやらねば!!
食べられなかったことを…
あとから後悔しても遅いんだぜ…フフ
オレは
いぬと睨みあいながら、
桃の美味しさをアピールした。
#むしゃむしゃ
!!
『なんだ、この桃!
うますぎるぜ!!』
#むしゃむしゃ
こいつ…
どっかで見たことあるな…
#むしゃむしゃ
オレは、記憶をたどった。
この中肉中背…
取り柄のない顔立ち…
がさつな毛並み…
がにまたの立ち姿…
そしてこの、まばたきの多さ…
!!!
思い出した。
口が膨れ上がってて、
分からなかったぜ!
こいつ、
うさぎくんと一緒にいた
いぬじゃねえか!!
オレの恋愛の達人ソングに
えらく感動し、
ギターケースに
金色の石を投げ入れてくれた…!!
握手もしてやったら、
すげえ喜んでた、あのいぬだ!!
オレ様としたことが
ファンの顔を忘れちまうなんて…
失礼、失礼!!
あやうく、オレのファン2号を
ぶん殴るところだったぜ!!
#グルルルルル
こいつも、気付いてねえようだな…
しかたねえ、
歌って、思い出させてやる!!
おい、いぬ!!
オレは恋愛の達人、闇うさぎ!!
あの日感じた…
おまえの情熱を、思い出せ!!!
オレはギターをかき鳴らし、
あの時のように、大声で歌い上げた。
#思い出せ
#思い出せ
#お前の情熱を
#思い出すんだ
#オレの歌で