(闇うさぎ)
~第3章~
第26話:ボクは、絵本を開かなくなった。
『これから、大切なことを言うぞ。
しっかりとメモをするのじゃ』
じじいの言葉に、オレはゾッとした。
誰かのために、
なにかをしてやりたい気持ち。
そんなの
オレにだってあるさ…
当たり前だろ…
オレは
うさぎくんが好きだし、
喜ぶ顔だって見てみたい。
でもよ。
それは、
「相手のために、やってやりたい」って
オレが、自分で思った時に
やることじゃねえのか??
誰かから
言われてやるなら、
そりゃあ、命令だ。
オレは、
命令されてやるのが嫌いなのだ。
#ドックン
#ドックン
オレは急に、胸が苦しくなった。
また来ちまったな…
たまに感じる、この感覚。
胸が締め付けられるように
痛くて、苦しい…
フゥ…
フゥ…
オレは
胸に手を当て、息を吐いた。
仕方ねえな…
オレは、
じじいに言われなくっても
うさぎくんには、
メモをとってやろうって思ってたんだ。
じじいめ…
余計なこと言いやがって!!
おめえが
そういうこと言うから、
オレのやる気がなくなるんだよ!!!
オレは、
何度も、自分に言い聞かせた。
これは、
じじいからの命令ではない。
オレがやりたくて、やることだ。
これは、
じじいからの命令ではない。
オレがやりたくて、やることだ。
これは、
じじいからの命令ではない。
オレがやりたくて、やることだ。
オレは、
うさぎくんの顔を見つめた。
うさぎくんは
いまだ、
地面の一点を見つめ、
ぴくりとも動かない…
オレは、
うさぎくんが笑った顔を想像した。
この顔が、笑うんだ
オレが、書いてやることで…
!!!!!
おい、じじい!
さっさと言えよ!!
オレが書いてやるのだから!!!!
#サラサラ
#サラサラサラ
#オレは
#ペンを動かした