(闇うさぎ)
~第3章~
第15話:過去観光への誘い。
オレ一匹だったならば、
こんな化け物じじい
蹴り倒して楽勝だったが、
うさぎくんの力では
到底ムリだろう。
これは時間との戦い…
良い脱出方法を、早急に考えねば…!!
#じじいめ
#笑ってやがる
!!!
じじいがオレ達を、
地面に降ろした。
!!!!
#今だ
#脱出のチャンス
その時、じじいの口から
とんでもない言葉が聞こえた。
暇じゃし…
みんなで過去観光にでも
行ってみよう?!!
こいつ…
化け物なだけじゃなく、
頭までおかしいのか??
過去になんて、
行けるわけないだろう!!!
オレは過去になんて…
絶対戻りたくねえし!
見たくもねえ!!
それによ、
オレは、
じじいの言葉にムカついた。
『暇じゃし、過去観光…』
オレの過去は、
人間の暇つぶしに
見せるような過去じゃねえし。
プライバシーの侵害も、
良いとこじゃねえか。
興味本位で
相手の大事な過去を知って、
何になる?
そんなことが楽しいのか??
おめえ、最低だな!!!
オレの過去には、
オレが想ってる大事な色がある。
キレイな白色と、悲しい黒色…
オレはそれを、
別々に分けておきたいんだ。
オレだけの色を、
知らん奴が勝手にまぜて
灰色になんて
してもらいたくねえ!!!
さらに最低なことに
悲しい経験をしたことねえ奴ほど、
勝手に比較するだろ。
どっちが大変だったとか
同じような経験を
ひとくくりにまとめたり…
オレの経験は、
オレだけのものであって、
誰にも評価されたり、
利用されたりしたくねえ。
信頼できる相手にだけ、
分かってもらえりゃ
それでじゅうぶんだ…
!!!
さあ、うさぎくん!
今がチャンスだ、
急いで逃げよう!!