(うさぎ)~第3章~第81話:起こしてあげなきゃ。

短編つぶやき小説

(うさぎ)
~第3章~

第81話:起こしてあげなきゃ。


 

闇うさぎくんは、なかなか起きなかった。

 

桃パフェを食べ終えると

おじいさんは闇うさぎくんのとなりに座り

 

フゥゥ…フゥゥ…フゥゥゥゥゥ…

 

闇うさぎくんの顔に息を吹きかけた。

 

おじいさんが笑った。

 

『こやつは、夢の中でも騒がしいのう』

 

いぬくんが聞いた。

 

『どんな夢ゥォォ、見てるゥン…ですァウン?』

 

『よく分らぬが、

桃の種とやらの集団に、闇うさぎが取り囲まれておるようじゃ』

 

 

桃の種の集団?!!

 

 

闇うさぎくんの寝顔を見つめると、眉間にしわが寄っていた。

 

!!

もしかして…うなされているんじゃ?

闇うさぎくんっ…大丈夫?!!

 

!!

闇うさぎくんの口元が、かすかに動いた。

 

#あっ

#何か言ってるよ

 

!!

ボクは闇うさぎくんの口もとに、自分の耳をくっつけた。

 

『あま…う..も…』

 

?!!

あま…う..も?

 

あまうも、だって!!!

 

!!

闇うさぎくんの表情が険しくなった。

 

闇うさぎくん、やっぱりうなされてるんだ!

 

!! !! !!

 

ボクは闇うさぎくんの両肩をつかんで、揺らした。

 

 

闇うさぎくんの頭はプラプラと力なく揺れて、

ソファにぶつかった。

 

!!

#ボクは

#見てしまったのだ

 

?!!

闇うさぎくんが…薄目を開けてるぅうう!!!

 

#起きたみたいだねっ

 

!! !!

ボクは、闇うさぎくんに手を振ると

 

#ぴょんこぴょんこ

 

急いで冷蔵庫から桃パフェを出して、闇うさぎくんの顔のそばに近づけた。

 

これっ、桃パフェだよっ

ボクたち、先に食べちゃったけど…闇うさぎくんの分もあるからねっ!

 

 

・・・。

 

 

闇うさぎくんは、返事をしなかった。

 

 

闇うさぎくんっ

 

闇うさぎくんっ

 

桃パフェ、美味しいよっ!

 

!! !! !!

 

闇うさぎくんの肩をトントンしていると

 

闇うさぎくんの腕が、力なくソファから落ちた。

 

!!

その時だった…

 

外の方から、大きな音が聞こえた。

 

きゅぃぃぃいいいいいん…!

 

きゅぃぃいいぃいいぃいん…!!

 

 

!!!

おじいさんが立ちあがった。

 

『そうじゃ、忘れておったわい』

 


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