(うさぎ)
~第3章~
第77話:オレは桃に願った。
『願いごとをどうするか、
うさぎとよく話しておきなさい』
そう言うと、おじいさんは桃を拾って
闇うさぎくんに渡しに行った。
『いよいよ修行にいくからの。
おぬしは桃を食べて、
カラダの傷を治しておくがよい』
闇うさぎくんは、
桃を受け取ったあと、考え事をしているみたいだった。
いぬくんが、ボクに話しかけた。
『うさぎクーン、どうするゥン?
この桃ゥオ食べて、願いごとを一回消しちゃゥン?
そうするとしばらくボク達、
話しが出来なくなっちゃうけどもォォォ…』
?!!
いぬくんと話せなくなっちゃう?!
!!
それは嫌だなぁ…
だってボク、
いぬくんと話しがしたかったんだ!
でも…
他の生き物と話したくなった時に
このままじゃ恐くて、話せないかぁ…
#うーん
#どうしよう
いぬくんが、笑って言った。
ハッハ ハッハ
『急いで願いごとを消さなくてもォォ…大丈夫だォン!
願いごとを消すのはァァ…いつでも出来るゥゥンオ!
今は、こわくないでしょォォオ?
他のことばがァ…ンン…
聞こえないならァア良かったオゥン!』
!!
そうかぁ
今じゃなくても良いなら、キミとまだ話せるね!
#良かったぁ~
・・・。
でも、
どうして、
他の生き物のことばが
聞こえなくなったのかなあ??
ボクが不思議に思っていると、
いぬくんが教えてくれた。
『集中して願わなかったからだと思うよォン。
願いごとをする時もそうだけどもオォォン…
はじまりや終わりの言葉も、
伝わりやすく、
しっかりと念じて言わないとォォォ…!
ボクゥンも前に
不思議なことになっちゃったことがあるよォォ』
?!!
えっ
そうなのっ?!!
??!
その時…
桃をかじっていた闇うさぎくんが、急に走り出した。