(うさぎ)
~第3章~
第70話:クソォォオオオオオッ!!!!
その時
急に、聞きなれない声がした。
『恐いウォなら、
やっぱり、調整が必要だウォン?
おじいさんは、
今、桃を取りに行ってるゥオッ』
?!!
もしかして、今の声…
いぬくん…?
いぬくんの口が動いた。
『そうともゥォン。
うさぎク~ン
願いごとができて良かった
キミと話せるのウォン、待ってたウォ…ハッハッハッ』
!! !! !!
いぬくんは嬉しそうに、しっぽを振った。
いぬくんが…
しゃべってる…!!!
ボク…
キミの言葉、わかったよ…!
ボクが言うと
いぬくんはしっぽを、またパタパタと動かした。
いぬくんはボクの方に寄ってくると
『ハァハァ…
ボクもウォ、疲れたウォン…
少しおやすみしたいワン…』
いぬくんは、ボクにくっついて
隣りでゴロンと横になった。
ハァハァハァ
『やっとウォ、
いっしょに話せるね
うさぎクン、
大変だったみたいだけどもウォ、大丈夫?』
ヘッヘッ ハッハッ
嬉しいなあ
キミの言葉が分かるなんて…
うん、
だいぶ良くなってきたよ
でも…
ボク、悲しいんだ
色んな生き物と話したくて
たくさん練習したのに…
色んな声がすると
ボク、
こわくなって
具合が悪くなっちゃうんだ。
お耳をふさぐと
聞こえなくて、安心なんだけど…
でも、これだと話せないんだよな
『ボクと話せてるウォ』
ハッハッハッ
『ボクゥゥン、
キミと話せて嬉しいよウォ』
いぬくんのことばに、
ボクはとても嬉しくなった。
ボクだって!
ずっとキミと、
話しがしたかったんだ。
『うさぎク~ン
一度にたくさんとウォ、話したいのウォ?
ボクは、たくさんよりもウォン
1対1で話すの方が好きだゥオ
好きな相手とウォォォ…
ゆっくりとウォン、1匹ずつゥゥゥ…』
ハッハッハッ
?!!
たくさんと話したいか?
そんなことをしたいなんて、
考えたこともなかった。
!!!
ボクも1対1の方が良いよ
だって…
一度にみんなと話しても
覚えられないもの。
途中で分からない話しがでてきたら
考えてる間に
話しがどんどん進んじゃって、
なんの話しをしてるのか
分からなくなっちゃうじゃないか!
1対1だったら、
分からなくなっても、すぐ聞けるよね??
それに、メモを取りたい時も
ちょっと待っててねって言えば
1対1だったら、待っててもらえるだろ??