(うさぎ)
~第3章~
第50話:ボク、覚えられた!
#ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅっっ
ボクは、始まりと終わりの合図を頭の中に叩き入れた。
#よしっ
!!!
忘れないうちに、願い事をしなくっちゃ!
おじいさん、
早く戻ってこないかなあ
#ピョンコピョンコ
ボクはお勝手口のドアを開けた。
#キョロキョロ
ボクは外を見渡した。
おじいさんの姿は見えなかったけれど、
ボクの目に、たくさんの生き物の存在がとびこんできた。
青い空
ふんわりした雲
山にはたくさんの動物達が住んでいて…
すぐそばにも、木々や草花
虫たちだっていっぱい暮らしている。
地面には、蟻、石…
もぐらやミミズみたいに、
土の中に住んでる生き物だっているんだ。
!!
風も生きているのかなあ?!!
話せるようになったら、
ボク、たくさん話したい相手がいるんだ!!!
#ボク
#願いごと頑張らなきゃっ
!!!
よしっ
あそこでまた、練習してみよう!
#ピョンコピョンコ
ボクは、近くの木に肉球を押しつけた。
#むぎゅむぎゅっ
#桃を褒める
#むぎゅっぎゅっ
#感謝の気持ち
#ありがとう
#ぎゅぎゅぎゅっ
#キミと話しがしたいんだ
#ぎゅっぎゅぎゅぎゅっ
#また
#お話ししようね
よしっ
覚えたぞっ!!!
ボクは嬉しくなった。
#ピョンコピョンコ
地面の石にも、ボクは肉球を押しつけた。
#ぎゅぎゅぎゅっ
#キミと話しがしたいんだ
石くんは、みんなに蹴られて痛くないの??
・・・。
#ぎゅっぎゅぎゅぎゅっ
#また
#お話ししようね
!!!!!
ノートが無くても覚えてる!!!
#ボクは
#とても嬉しくなった。
おじいさ~ん!
おじいさ~ん!
ボク、覚えられました~!
はやく帰って来てくださ~い!!!
ボクは大きな声で、おじいさんを呼んだ。