（うさぎ）
～第3章～
第35話：痛いの痛いの～…とんでいけ～！
もう一度、
始まりの合図を考え直さなきゃっ！！
#うーん
#なんにしようかな
ボクは、いぬくんの顔を見た。
！！
そうだ！
いぬくんに話しかけてみたら、
良い合図が、思い浮かぶかもしれないぞ！
＃ピョンコピョンコ
ボクはいぬくんに話しかけに行った。
こんにちは！
ボク、うさぎのつぶやきです。
よろしくお願いします！
・・・。
いぬくんが、こくんと頷いた。
ボクね、キミと話しがしたいんだ！
キミの言葉が、ボクも分かるようになりたいな。
＃ワンワンッ
いぬくんが、
パタパタとしっぽを振った。
嬉しそうだった。
！！
もしかして、キミもボクと話したい？？
＃ワンッ
いぬくんがまた、尻尾を振った。
！！！
そうだよね？！
ボク達、言葉も通じないのに
一緒にいたもんね。
キミは、ボクの家にご飯を食べに来てくれたし、
ボクが困ったときに助けてくれた。
おかげでボク、
闇うさぎくんにも会えたし
おじいさんにも会うことが出来たんだ！
＃いぬくん
＃ありがとうね
＃ワンワンッ
＃パタパタ
あ〜、楽しみだなあ！
キミの言葉がわかるようになるなんて！
#ワクワク
ボクはいぬくんと、
もう少し話しがしたくなった。
気になってたんだけど、
キミ、お口が腫れてるけど大丈夫？
もしかして、虫歯？？
いぬくんは、ブンブン首を振った。
そして、闇うさぎくんを指さし
足で蹴る真似をした。
えっ、闇うさぎくんと？
ケンカしたの？？！
！！
闇うさぎくんを見ると、
こわい顔でこっちを見ていた。
！！！
闇うさぎくんっ？！
キミ、いぬくんとケンカしちゃったの？？
！！！
闇うさぎくんが、こわい顔で
いぬくんを睨みつけていた。
！！！！！
#うわっ
＃すごい怒ってる
とにかく
早く、治療をしなきゃっ
＃さすりさすりっ
痛いの痛いの～…
遠くのお山にとんでいけ～！！！！
＃ほら
＃とんでった
！！
そうだ、ボク
リュックサックにお薬もって来てたんだ！
ボク、よく転ぶから…
えーと、
消毒液と…絆創膏と…塗り薬…
あれ？
ドクダミ軟膏って…
お口の中にも塗れるかな？？
！！
これねっ
ボクが作ったんだ！
ボクの家、
お庭にドクダミがいっぱい生えてるんだ！
ドクダミの葉をよく煮て、すり潰して
ごま油も少し入れてあるから！！
＃ちょっと
＃苦いかもしれないけど
いぬくん！
じゃあ、お口開けてくれる？
軟膏、塗りま～す！
＃はい
＃あーんして
・・・。
いぬくんの口は、ちっとも開かなかった。
？！！！！
えっ？？
痛くて、口が開かない？！！！
だったら、しょうがないか…
中が無理なら、外側に塗っちゃうか！
ボク、優しく塗るから大丈夫だよ…
＃ぬりぬり
ボクは、口のまわりに
ドクダミ軟膏をたっぷりと塗ってあげた。
＃フゥ
＃これでよしっ
