(うさぎ)~第3章~第34話:過去は変えられるのか?!!!

短編つぶやき小説

(うさぎ)
~第3章~

34話:過去は変えられるのか?!!!


 

おじいさん!

ボク、

もう桃を食べても良いですか?

ボクも早く、過去に行きたいんです!

きっとかあさんが、

ボクを待っててくれてるから…!!

 

『ふぉっふぉっふぉ。

おぬしも、いよいよやる気になってきたのう。

じゃが、焦りすぎてはいかんぞ。

初めてやることに、失敗はつきものじゃ。

本番の前に、すこし練習した方が良いじゃろう。

 

なんと言ってもこの桃は、

とても大きな桃じゃからの。

1個食べるだけで、もう満腹じゃ。

失敗してしまっても、続けて2個は食えぬだろう。

ところでおぬしは、

始まりと終わりの合図はもう考えたかの?』

 

!!!

 

はい!

ボク、もう考えました!

 

『そうかそうか。それは感心じゃな』

 

おじいさんは、

今度はいぬくんに声をかけた。

 

『良いか、いぬよ。

おぬしがうさぎの、練習相手になってやるのじゃ。

ほれ、そこに立って

出番が来るまで待っておれ』

 

おじいさんはボクに言った。

 

『では練習をはじめようかの。

うさぎよ!

それではまず、

桃を食べるフリからはじめようか。

桃を褒め、感謝の気持ちを伝えるのじゃぞ』

 

!!

はいっ!

 

#むしゃむしゃ

#むしゃむしゃっ

 

!!!!

 

うわっ

なんて、美味しい桃なんだ!

こんな大きな桃、

ボク、はじめて見たよ!

桃さん、

食べさせてくれて

ありがとうございますっ!!

 

ボクは大きな声で、桃にお礼を言った。

 

『なかなか上手だのう、うさぎよ。

それでは、次のシーンじゃ。

桃に、こころから願ってみよ。

自分が楽しく話している姿を、よ〜く想像してみるのじゃぞ。

 

で、その後に

続けて、

始まりと終わりの合図を念じるのじゃ』

 

!!!!!

 

#はいっ

#分かりましたっ

 

ボクは大きな声で、願い事を口にした。

 

『ボクは、

いろんな生き物達と

楽しくおしゃべりができるようになりたいです!

みんなの言葉が、

分かるようになりますように!!!』

 

ボクは、

いぬくんと楽しく話す自分を想像してみた。

 

いぬくんの隣に座って…

ボク達は、恋の話をするんだ…

 

もしかして、キミも片思いなの?!!

!!

すごいっ!一緒だね!

ボクもずっと片思い!

ボク達、

どうやったら、両思いになれるのかな?

!!

そうか…

やっぱり、分からないよね…

 

そうだ!ボクね!

前に、好きな子に手紙を書いたことがあるんだ!

?!

住所なんて、知らないよ…

そんなの、

自分から聞けるわけないじゃ無いか!

前にね、

闇うさぎくんが

お家の場所を、教えてくれたんだ。

だから、ポストに入れてみた。

お返事は来なかったけど…

 

#ドックン

#ドックン

#ドックン

 

胸がドキドキして、汗が吹きでてきた。

 

『うさぎよ!

楽しく話すイメージは、もう十分じゃ。

おぬし、なかなか演技がうまいのう。

では、そろそろ

始まりと終わりの合図も言ってみようかのう』

 

!!

#えっ

もう良いの??

・・・。

#そうか

#残念だな

 

次は、始まりと終わりの合図か…

 

#あれっ

#なんだっけ

 

ボクはしばらく考えた。

 

!!

 

#あっ

#そうだっ

始まりの合図は、

 

「ちょっと、待って!!!

ボク、キミの言葉が分からないんだっ」

 

終わりの合図は、

 

『また、お話ししようね!』

 

で、お願いします!!

 

ボクは大きな声で、桃にお願いした。

 

#フゥ

#これでよしっ

 

おじいさんが言った。

 

『うさぎよ。

桃への願いごとは、ばっちりのようじゃな。

今度はいぬとの会話じゃ。

ほれ、やってみよ』

 

ボクは、いぬくんに話しかけた。

 

こんにちは!

ボク、うさぎのつぶやきです!

よろしくお願いします!

 

・・・。

 

いぬくんは返事をしなかった。

 

ボク、キミとおしゃべりしたいんだけど

話しかけてもらっても良いかな?

 

・・・。

 

いぬくんは、口を一文字に結んでいた。

 

ボクは慌てた。

 

「ちょっと、待って!!!

ボク、キミの言葉が分からないんだっ」

 

が、これじゃあ言えないっ??!

 

#ガガーン

 

おじいさんが、笑っていった。

 

『ふぉっふぉっふぉ。

それでは、

始まりの合図は、変えんといかんな。

終わりの合図は、バッチリじゃと思うがのう。

しかし

初めての練習にしては、

おぬし、なかなか筋が良いぞ』

 

おじいさんの言葉を聞いて、ボクは安心した。

 

!!!

 

よし!

もう一度、

始まりの合図を考え直さなきゃっ!!

 


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