(うさぎ)
~第3章~
第31話:なかなか良い名前じゃな。
!! !! !!
あれっ?
貸してもらえないっ??
#ガガーン
闇うさぎくんの動きが早すぎて、ボクにはペンが取れなかった。
ボクは、
自分の名前が書けるのが嬉しくて、
みんなに見てもらいたかったんだ。
ボクにとってこの名前は、
とうさんとかあさんにもらった
宝物みたいなもので…
かあさんと名前を練習した思い出は
ボクにとっては
かけがえのない、大切なもので…
!!!!!
その時、おじいさんが
闇うさぎくんの手をピシャリと叩いた。
そして、
落ちたペンをボクに渡してくれた。
『ほれ、ペンじゃ。
名前を書いてみよ』
#あっ
#ありがとうございます
ボクは嬉しくなって
左手の肉球に、大きな文字で名前を書いた。
『うさぎのつぶやき』
久しぶりに書いて
ちょっとはみ出しちゃったけど
ボクは名前の文字を、ちゃんと覚えていた。
『なかなか良い名前じゃな』
おじいさんが、ボクの名前を褒めてくれた。
ボクは、とても嬉しくなった。