(うさぎ)
~第3章~
第9話:日干し桃。
突き当りの壁を抜けると、
外につながっていた。
たくさんの木々が並んでいる。
桃の木かな??
ずいぶん背の高い木だなあ…
ボクが見上げていると、
おじいさんは言った。
『桃には種類があってのう。
桃はすべて
青い実のうちに収穫し、
収穫後の加工方法で、種類が分かれる。
ここで作っているのは、日干し桃じゃ』
日干し桃?
ドライフルーツみたいな桃ですか??
高くて、実が見えないな…
その時、
おじいさんが指笛をふいた。
#ぴぃいぃぃ~
指笛に合せるように、
木の上から
バサバサと羽音が聞こえた…
??
誰かいる?!
おじいさんは、
もう一度指笛をふいた。
そして大声で、
木の上に叫んだ。
『こら~!!
降りてこいと、
いっておるだろうに!!!』
おじいさんは、
何度も指笛を吹きならしたが
誰も降りてこなかった。
#まったく
#しょうがない奴じゃ
『キジのやつ、
日に日に態度が
でかくなりおって…
これじゃあ、
さるのやつとたいして
変わらんじゃないか!!』
おじいさんは、ため息をつき
とぼとぼ歩きだした。
『さて、気を取り直して…
次は、こっちじゃ』