(うさぎ)
~第3章~
第23話:自分のチャンスは、自分でもらえ。
『約束じゃからの。
キミに、この桃を授けようじょ』
!!!!!
おじいさんが手渡してくれた桃は、
ボクの顔よりも
ずっと大きくて、ずっしりと重かった。
『先に言っておくが、
この桃は
誰かと分けて食べちゃいかんぞ。
全部、自分一匹で食べるのじゃ。
そうしないと、
桃の効果がしっかり出んからのう。
そして、
一度かじり始めたら、
一気に食べんといかん。
桃の内部は、
空気に触れた部分から
色が変わりだし、
時間が経つに連れて
桃の効果が弱まってしまうのじゃ。
さて、
おぬしの願いごとは
そろそろ、決まったかのう?』
!!!!!
#ぇぇえええっ
ボク、一匹で食べないといけないの?!!
闇うさぎくんと、
一緒に決めて
一緒に、食べたかったのに…!!!
どうしよう
願いごとなんて、
まだ、全然決まってないよっ…!
闇うさぎくんが、
食い入るように
ボクと、桃を見ていた。
!!!!!
(どうしよう)
(どうしよう)
・・・。
あっ、あのっ
おじいさん、ごめんなさい…
ボク、何をお願いしたらいいか
よく、分からなくって…
急いでいるみたいだし
ボク、
決めるのに
時間かかっちゃうから
この桃、闇うさぎくんに
先にあげてもいいですか??
闇うさぎくんには、もう
しっかりとした
願いごとがあるみたいだから…