金色の石拾い、ボクの夏休みの思い出⑬

短編つぶやき小説

(うさぎ)
第3.3章 

金色の石拾い、ボクの夏休みの思い出⑬


 

!!

たぬきちさんは、

カゴをかついで立ち上がった。

そして、力強い足取りで

砂利の上を歩きだした。

#ザッザッ

 

!!

#ピョンコピョンコ

ボクも急いで追いかけた。

 

たぬきちさんは歩きながら、ボクに色々と教えてくれた。

 

『つぶやきぃ、覚えておくんだど!

金色の石拾いはぁ、

行きはよいよい、帰りはこわいっ

帰りはカゴが、すっごぐ重いがら!

 

とくに…

砂利の上は足が痛ぐなる~!

厚めのくつしたとが、

サンダルとがあった方が良いべ!!

 

!!

くつは、こすれて痛えがらやめた方が良いど!!

 

・・・。

 

オラ、この前

買ったばかりのサンダル

川に流れていっちまっで、悔しかったなあ…

 

・・・。

 

!!!

とにかぐっ、サンダルは!

帰る時に履いた方が良いべっ!!』

 

#ザッザッ

#ピョンコピョンコ

 

『つぶやきぃ。

おめえは、ぴょんこぴょんこ跳ねるがら!

ざるだど、拾った石を落としそうだべ??

うさぎが拾う時ぃ…

帰りはどうしたら良いんだべ!?

 

・・・。

 

!!

こういう時は!ぽん太郎に聞いてみるべ!

ぽん太郎は、ちいと気難しいところがあるが

あたまが良い奴だがんら!』

 

丘のふもとに着くと、

たぬきちさんは、神妙な顔で言った。

 

『つぶやきぃ!

坂は特に、気をつげろぉ!

オラ、この前ここで

すってんころりん

ごろごろ金色の石が散らばっで

すっごく大変だったんだべ~!!!

濡れたくつしたは…滑るがらっ!

坂の前に、ぬぐ~っ!!!』

 

!! !!

 

たぬきちさんは、カゴをおろしてくつしたを脱いだ。

 

『やっぱぁ、素足が一番だな~!』

 

!!  !!

たぬきちさんは、くつしたの匂いを嗅ぎ

目を見開いて笑った。

 


(闇うさぎはお休み)                  目次                   金色の石拾い、ボクの夏休みの思い出⑭
タイトルとURLをコピーしました