金色の石拾い、ボクの夏休みの思い出⑩

短編つぶやき小説

(うさぎ)
第3.3章 

金色の石拾い、ボクの夏休みの思い出⑩


 

たぬきちさんは、ほくほくしながら

ボクを案内してくれた。

 

!!!!!

 

『ここだ、ここだぁ。

ほれ、いっぺえはさまっとるべ』

 

たぬきちさんは、岩場の方を指さした。

 

!!

遠くから見ても、すぐに分かった。

岩場の水面全体が、キラキラと金色に輝いていた。

 

!!!!!!

す、すごい…!

こんなにたくさん…?!

 

#ピョンコピョンコ

#バシャバシャバシャッ

 

岩場に近づいたら、ボクはもっと驚いた。

連なった岩と岩の間が、

びっしりと金色の石で埋め尽くされていた…

 

『ほれ、つぶやきぃ。

やっぱり、びっくりしたべ?!

オラもよ!最初見た時はたまげたなぁ!』

 

たぬきちさんは、目を見開いて笑った。

 

『ここんとこはぁ、金色の石の取り方が違うべ。

間違えるとぉ

どんどん流れて行っちまうかんら、気をつけねえといけねえべ』

 

そう言うとたぬきちさんは、水から上がり砂利の上を歩いた。

 

『岩場んとこはぁ、水の中を歩いちゃいかんべ。

なんでかって言うど、

金色の石を踏んだら、崩れちまうべ?

せっかく挟まっとったのにぃ、崩れた途端に流れでぐからよ。

オラ、そんなこと知らんかったからぁ

前に失敗しで、悔しい思いしたんだべ。

オラも誰かに、教えてもらいたかったなぁ』

 

たぬきちさんは、笑いながら歩いた。

 

川の上流に向かって砂利の上を歩き続けていると、岩場が終わった。

 

!!!

『ほれ!この辺だぁ。

この辺から取れば、いっぺえ取れるし崩れねえべ。

つぶやきぃ、分かったかぁ??

岩場はぁ、上流の方から取るんだど!』

 

たぬきちさんはそう言うと、水の中に入った。

 

#バシャバシャバシャッ

 

!! !! !! !!

たぬきちさんは下流の方を向いて、

岩の間に挟まった金色の石を、手慣れた様子で取っていった。

 

!! !! !! !!

 

ボクも一緒に、金色の石を取ってカゴに入れた。

 

取っても取っても、金色の石は無くならなかった。

『いやぁ~!大漁、大漁!

今日も、いっぺえ挟まってるなあ!』

 

!! !! !! !!

!! !! !! !!

 

たぬきちさんの背中のカゴが、だんだんいっぱいになってきた。

 


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