(うさぎ)
第3.3章
金色の石拾い、ボクの夏休みの思い出⑨
『おめえも一匹もんか??
オラ、金色の石拾いで
うさぎに会うのははじめてだなあ』
たぬきちさんは、嬉しそうだった。
!!!
ボクはもう一度、自己紹介をした。
ボクの名前は、うさぎのつぶやきって言います!
たぬきちさんも一匹暮らしですか?!
ボクも…一匹暮らしです!!
向こうの方に、お家があるんですけど…
ボクは、家の方を指さした。
向こうの丘を登って向こう側にくだると、細道がでてくるんですけど…
それで、細道をまっすぐ行くと小川があって
そこを渡ってしばらく歩くと、森の大岩があって…
えーと…
んー…
そこを、ななめに草を分けて進むんですけど
あー…むずかしいな…
なんて説明したら良いんだ??
『大岩だったら、あっちの方だべ!!
草っ原が伸びて、隠れた道がたくさん別れてるとこだべな!
そりゃあ、ちいと
分かりにくいとこだんな!
オラもそっちの方なら、よく行くべよ。
大岩の方に、オラの仲間も住んでるがらよっ
だったら、ちょうど良いべ。
金色の石を取ったらよ!
通り道だがんら、ぽん太郎ん家にも寄ってよ!
ぽん太郎にも金色の石、分けべやるべえな。
それがらよ!
うさぎの…
んー…?? なんだったがな?』
ボク!うさぎのつぶやきです!
『ああ!そうだべ!
うさぎのつぶやきなっ!
それからよ!
つぶやきの家まで、金色の石を持っていけば良いべな?!!』
えっ!
ボクにも分けてもらったうえに、
家まで来てもらっていいんですか?!!
『良いべ、良いべ!
おめえ、まだちっこいのに一匹暮らしならよ!
オラ達の仲間で良いんでねえが?
一匹暮しはよ!
やっぱぁ、大変だかんら!
仲間がいるとよ!
やっぱぁ、困った時に心強いがらよっ
ぽん太郎も紹介してやるべ!
ちいと気難しいところはあるが、良いやつだかんら!』
ボクは驚いた。
そして、とても嬉しくなった。
一匹暮らしの動物と、
こんな風に仲良くなれるなんて初めてだった。
『こっち!こっちだあ!』
#ピョンコピョンコ
たぬきちさんは金色の石を拾いながら、
小川の上の方にどんどん進んでいった。
『もうちっと登って行くとよ!
金色の石が、ごっろごろ転がってる穴場の場所があるんだべな。
川ん中の、岩と岩の間に挟まれてよ!
下の方に、流れていかねえがら!
だがらよっ
岩の間にどんどんはさまって、たまっていくんだわあ。
今日はどんだけ、取れるが楽しみだなあ』
たぬきちさんは、ほくほくしながら
ボクを案内してくれた。