(うさぎ)
第3.3章
金色の石拾い、ボクの夏休みの思い出⑧
『金色の石、とったことねえべか?!!
だったら、オラが教えてやるべ??!
もっと取れる場所が、こんの先にあるがらよぉ。
でもまあ、その前に…』
たぬきは、カゴを背負い…
!! !! !! !!
落ちている金色のものを
ヒョイヒョイとカゴに入れていった。
『おめえも拾わねえが??
せっかく落ちてるんだがら、一緒に拾っても良いんだど?!』
たぬきはそう言うと、
金色のものをボクにも拾って、渡してくれた。
!!
良いんですか?!
ありがとうございます!
ボクは深々とお辞儀をし、両手で受け取った。
#ピョンコピョンコ
そして、
昨日拾った大亀様の金色の卵と一緒に、紙袋の中に入れた。
『ダメだべぇ!
そんな薄っぺらい紙袋じゃ!
水がしみちまって、すぐに破れるべ?!!
袋、ほがにねえのが??』
!!
たしかに…
紙袋を見ると、少し水がしみていた。
『金色の石は、けっこう重いがらよ!
もすこし濡れたら、破れちまって
持ち上げられなくなるど?!
いまのうちに、オラのかごに入れるべか?!!』
たぬきはそう言うと、
紙袋をそおっと抱えて、かごの中に入れてくれた。
『今度くるときは、
かごとか、ざるみてえな
水きりができる丈夫な入れ物が良いべよ。
水が入ると、けっこう重くなるがら!』
!! !! !! !!
たぬきは、また
落ちている金色のものをヒョイヒョイ拾って
背中のカゴに投げいれた。
『いやぁ~!大漁、大漁!
今日は、いっぺえ落ちてるなあ!
せっかく会ったんだからよ!
あとでおめえと、山分けすんべ!
ここのを拾いおえたら、もっと上の方も行ってみっか』
たぬきは、ジャブジャブと水しぶきをあげながら
上流の方に進んでいった。
ボクも、ピョンコピョンコと追いかけた。
たぬきは言った。
『おめえの名前、うさぎのなんだったかあ??
オラはたぬきちぃ、言います。
一匹暮らしの一匹もんだ。
おめえ小さいのに、一匹で来たんだべ??
おめえも一匹もんか??
オラ、金色の石拾いで
うさぎに会うのははじめてだなあ』
たぬきちさんは、嬉しそうだった。