金色の石拾い、ボクの夏休みの思い出⑦

短編つぶやき小説

(うさぎ)
第3.3章 

金色の石拾い、ボクの夏休みの思い出⑦


 

!!!!!!

ボクは、見てしまったのだ!

たぬきが、金色のものをカゴの中に入れたのを…!!!

 

#ピョンコピョンコ

 

ちょっと待ってください、たぬきさん!

 

!!!

 

あっ…

忘れてたっ

 

ボクは急いで、

あいさつと自己紹介とお辞儀をした。

 

たぬきさん、こんにちは。

ボク、うさぎのつぶやきです。

!!

 

あ、あのっ

ボク…見ちゃったんです!

それはカゴに入れたらダメです!

大亀様のだいじな金色の卵だから!

 

ボクは、たぬきの背中のカゴを指さした。

 

たぬきは、きょとんとした顔でボクを見た。

 

『これは卵じゃねえべ?!

金色の石だべぇ?!!

ありゃ?オラ、間違えたっか??』

 

たぬきはそう言うと、カゴを背中からおろし

砂利の上に置いた。

 

卵って、どれだっぺ?

ほらぁ!金色の石しか入ってないっぺ?!!

金色の卵って、なんだっぺか??

卵なんて、一個もねえべよぉ!』

 

たぬきは、

ボクを持ち上げてカゴの中を見せてくれた。

 

!!!!!!!

 

大亀様の金色の卵が…こんなにたくさん!!!!

ボクは驚いた、

が…

ボクにも、金色の石と

大亀様の金色の卵の区別がつかなかった。

 

ボクは一生懸命、たぬきに説明した。

 

昨日、ここで

大亀様が、金色の卵を口から産んだんです!

でも!たくさんこぼれちゃったみたいで…

あ!

コスモスの花を食べたら、ゴホゴホむせちゃって…

で、小川の水を飲んで

そこの岩に登ったんです!

そ、その時ですっ!

卵が、ゲボッて口からごろごろと…

で!!!

大亀様、その後いなくなっちゃって…

ボク、何度も呼んだんです!

大亀様〜!

大亀様〜!!

って、こんな風に大きな声で!

 

『大亀様って、どこの誰だぁ??

そんな名前、オラ聞いたことねえが?!!

こんの金色の石は、

どこの誰がとっても構わんことになっとるがぁ?!!

だってば、

あんの山のてっぺんから、いっくらとっても

ごろっごろ流れてくっからよ』

たぬきは、遠くの山を指さした。

 

!!!!!!

えっ

そうなのっ?!

 

ボクは、知らなかった …

 

で、でも!

ボク、確かに見たんです!

大亀様の口から、ゲボッて…

 

『あ”〜…

まあ、亀だからよ!

泳ぐのに邪魔で、口に入れたんでねえか?!

そしたらまあ…ゲボッてよ!

口に入れすぎて、出ちまったんでねえのか??』

 

たぬきはほっぺたをふくらまし、ボクに説明してくれた。

 

!!!!!

じゃっ

じゃあ…大亀様はどこに??

 

『だがら!そんな名前、知っらねえってばぁ!

大亀様なんつー名前、

ここら辺じゃあ聞いたこともねえべ?!!

おめえ、新入りか??

金色の石、とったことねえべか?!!

だったら、オラが教えてやるべ??!

もっと取れる場所が、こんの先にあるがらよぉ』

 


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