(うさぎ)
第3.3章
金色の石拾い、ボクの夏休みの思い出⑥
大亀様~!!!
明日また、来ますから~!!!!
その晩、ボクはドキドキしてなかなか寝付けなかった。
布団の中でボクは、大亀様のことを何度も考えた。
今日の出来事は、もしかして夢だったんじゃないか?
だって…!
大亀様は絵本の中のお話しだもの!
絵本の中でも、
口からあんなにたくさん金色の石を産んでなかったよね?
!!!!
#でもでもっ
ボク、この目で確かに見たんだ!
夢だったら、
小川の水に足を入れた時に目が覚めるはずだし…
!!
ボクは頬っぺたをつねった。
やっぱり、夢じゃなかった。
・・・。
大亀様があんなにたくさん金色の石を産むなんて、
ボク、びっくりしちゃったな…
ちゃんと隠してきたし、
無くなってませんように…
その時、ボクは気がついた。
口から、金色の石を産んだってことは…
もしかして大亀様は、女性だったのか??!
!!!
そうかっ
あの石は、
金色の卵だった?!!!
#金色の卵って
#どこかでそんなお話し
#読んだ気がするな
ボクは布団の中で思い出そうとしたが、思い出せなかった。
・・・。
でもあれが、もし
金色の卵だったら…
何が生まれるんだろう??
!!
金色の小亀様が生まれる?!
ボクは、卵の中から
金色の小亀様がゾロゾロ生まれる姿を想像した。
あっ!
その時、ボクは気が付いてしまったのだ。
!!!!!!!!!
まずいぞっ
ボクってば、
金色の卵の上に
砂利をたくさん積んできちゃった…
!!!!!!!!!!
金色の卵を…
もしかしてボク、潰しちゃった?!
#どうしようっ
#どうしようっ
次の日、ボクは朝早くから小川に向かった。
小川に着くと、昨日積んだ砂利の山がそのままになっていた。
ボクは急いで、
砂利の中から金色の卵を掘り出した。
!!
金色の卵はカチカチだった。
割れてなくてホッとした。
やっぱりこれは、金色の石だよね?!
とても卵には見えないよ…
でも、もし卵だったら
潰しちゃいけないもの…
大亀様っ〜!!
大亀様っっ〜!!!
砂利で隠したら良いのか、
水の中に戻した方が良いのか
ボクには、どうしていいか分からなかった。
ボクは家から持ってきた紙袋に、
とりあえず金色の卵を入れて隠した。
大亀様っ〜!!
大亀様っっ〜!!!
何度もボクは、大亀様を呼んだ。
でも、大亀様は戻って来なかった。
#どうしようっ
#どうしようっ
#今日も日が暮れちゃったら
#どうしよう
ボクは心細かった。
お昼過ぎに、砂利の上でボクが
持ってきた手作りパンをかじっていると
下流の方から、1匹のたぬきが川の中を歩いてきた。
たぬきは背中にカゴを担ぎ、
川の中に手をつっこんでは
ひょいひょいカゴに何かを投げ入れていた。
!!!!!!
ボクは、見てしまったのだ!
たぬきが、金色のものをカゴの中に入れたのを…!!!
!!!!!!!
それは、大亀様の金色の卵なのに!!!!
#ピョンコピョンコ