金色の石拾い、ボクの夏休みの思い出⑤

短編つぶやき小説

(うさぎ)
第3.3章 

金色の石拾い、ボクの夏休みの思い出⑤


 

あれっ…いない?!

岩の上にいたはずの大亀様が、いなくなっていた。

 

??!

どこに行ったんだ?!

#キョロキョロ

まわりを見たが、見当たらなかった。

 

!!

大亀様っ〜!!

どこですか〜?!!

呼んでみたけど、やっぱりいなかった。

 

・・・。

どうしよう。

大事な金色の石なのに…

 

!!!!!

だったら、

ボクが拾っておいてあげないとっ

#ピョンコピョンコ

#バシャバシャバシャッ

 

ボクは小川に入り、目を凝らした。

川底には、金色の石がたくさん落ちていた。

 

ボクは金色の石を拾った。

!! !! !! !!

すぐに両手いっぱいになって、

砂利の上に金色の石を置きに行った。

#ピョンコピョンコ

 

ボクはまた、川の中に金色の石を拾いにいった。

 

#バシャバシャバシャッ

!! !! !! !!

#ピョンコピョンコ

 

小川と砂利の上を、ボクは何度も何度も往復した。

金色の石は、何回拾ってもなくならなかった。

 

砂利の上に、金色の石が山のように積みかさなった。

 

・・・。

大亀様、ボク、どうしたら良いですか?

もうすぐ、陽が沈んじゃうな…

 

ボクは心細くなった。

 

かあさんが、

金色の石はとっても大事だって言ってたんだ。

誰かのを勝手に取ってもいけないし、

自分のだって、

なくさないように、大事に使いなさいって言ってたもの。

 

だから、

このままここに置いておいちゃ、ダメだよね?

大亀様の金色の石だもの!

ボクが守ってあげないと!!

 

・・・。

ボクはしばらく、大亀様が戻るのを待った。

 

だんだん、薄暗くなってきた。

 

真っ暗になっちゃったらどうしよう…

ボク、暗いのは恐いよ…

 

大亀様っ〜!!

大亀様っっ〜!!!

暗くなってきちゃいました~!!!

 

・・・。

 

返事はなかった。

 

どうしよう…

どうしよう…

どうしよう…

 

大亀様っ〜!!

大亀様っっ〜!!!

ごめんなさい!!!

ボク、暗いの恐いんです~!!

だから…すみません

もう、帰らせてください!!!

ここに、隠して置きますから~!!!!

 

ボクは急いで砂利をつかみ、

金色の石が見えなくなるまでかぶせ続けた。

 

!!!!

#とりあえず

#これでよしっ

 

大亀様っ〜!!!

すみません!!!!

金色の石、ここの

砂利の山の中に隠しました~!

 

・・・。

 

すみません!

今日はボク、帰ります!!!!

明日また、来ますから~!!!!

大亀様~!!!

じゃあ、おやすみなさい~!!

 

#ピョンコピョンコ

 

ボクは真っ暗になる前に、大急ぎで家に帰った。


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