(うさぎ)
第3.3章
たぬきち、ぽん太郎、ボクの夏休みの思い出⑰
たぬきちさんは、
困った顔で頭をかいた。
『こりゃあ、かなり警戒中だべな。
どうするべか…』
たぬきちさんが腕組みをして考えていると、
!!
飛び出た竹の棒がゆっくりと上下に動き、下で止まった。
竹の穴から、何かが落ちた。
?!!
丸めた小さな紙だった。
『こりゃ、なんだべぇ!
もしかしで、オラにお手紙かな?!』
たぬきちさんは、嬉しそうに紙をひらいた。
!!
『こ、これは…
むずかしい文字が、いっぱいだぁ!
なんで、書いてあるんだべか??』
たぬきちさんは腕組みをして、
一生懸命、手紙を読んだ。
『セ… セキュ…リ… テイ??
セキュ…リテイって、なんだべな?』
たぬきちさんは、食い入るように顔に手紙を近づけた。
『肉球の… しもんを…?
なんだべ??
こんりゃあ、むずかしい文字だべなっ』
たぬきちさんは、ポリポリと頭をかきながら
!!
地面に座ってあぐらをかいた。
たぬきちさんは、
真剣な顔で、手紙と自分の肉球を交互に見つめ
!! !! !!
肉球と肉球をあわせて、くっつけたり離したりした。
何が書いてあるんだろう??
ボクも手紙をのぞいてみたけれど、
むずかしい文字がたくさん並んでいた。
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たぬきちさんへ
来客時はセキュリティ対策を強化します。
肉球のシモン認識を行う必要があるため、
来客者の肉球のシモンを採取願います(別紙に押印)。
お手数ですが、ご協力お願いします。
ぽん太郎より
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『ぽん太郎ぐん!
肉球のしもんを、どうするんだべ?
見せるべか? オラので良いのがな??』
そう言うと、
たぬきちさんは立ち上がり
!!!!!
とび出た竹の穴に肉球をギュッと押しつけた。