(うさぎ)
第3.3章 【仮題:時空の◯◯◯◯ ~うさぎたちの日記~(夏)】
うさぎ・ボクの夏休み!
その後の回想シーン⑮
『わたし、こういうの慣れてるから』
ボクはコアラの優しさに甘えることにした。
『それじゃあ、また電話するわね』
コアラとの電話を切った後、ボクは思った。
!!
コアラはすごいなあ。
話すのも早いし
文字だって書けちゃうし
受話器を持ち替えるのも早いんだ!
だからみんなにも、連絡できちゃうんだな!!
!!!
それにっ
食器を洗うのも早いし
冷蔵庫の中身や
食糧庫にあるものまで、ちゃんと覚えてるんだ!!!
#コアラは
#ホントにすごいよ
とにかく!
コアラは色んなことが、
あっという間に出来ちゃうんだ!
ボクもあんな風にできたら、
きっと気持ちが良いだろうなあ!
!!!
それにコアラは、とっても優しいんだ!
!!!!!!
#むぎゅっ
#むぎゅぎゅっ
#みどりちゃんも夏祭りに
#一緒に連れてきてもらえば良いんじゃない
!!!!!!
ボクは居ても立ってもいられなくなった。
#コアラが
#頑張ってくれてるんだもの
#ボクもなにか
#ボクにできることをっ
・・・。
#ボクにできるのは
#やっぱり料理だな
!! !!
#キュッ
ボクは、手拭いを頭にまいた。
!!!!!
あたま高く投げあげたそば粉が
!! !! !! !! !! !!
雪のように落ちてきた。
お水の量、よしっ…!
!! !!
#ボクは濡れた肉球を
すばやくそば粉に押しつけた。
~!~!~!!!
~!~!~!~!!!
~!~!~!~!~!!!
#おいしくなあれっ
#おいしくなあれっっ
#おいしいお蕎麦に
#な~あれっ
ーーーーーーーーー
~ボクの夏休みの思い出⑮〜
!!
たぬきちさんは、
カゴをかついで立ち上がった。
そして、力強い足取りで
砂利の上を歩きだした。
#ザッザッ
!!
#ピョンコピョンコ
ボクも急いで追いかけた。
たぬきちさんは歩きながら、ボクに色々と教えてくれた。
『つぶやきぃ、覚えておくんだど!
金色の石拾いはぁ、
行きはよいよい、帰りはこわいっ
帰りはカゴが、すっごぐ重いがら!
とくに…
砂利の上は足が痛ぐなる~!
厚めのくつしたとが、
サンダルとがあった方が良いべ!!
!!
くつは、こすれて痛えがらやめた方が良いど!!
・・・。
オラ、この前
買ったばかりのサンダル
川に流れていっちまっで、悔しかったなあ…
・・・。
!!!
とにかぐっ、サンダルは!
帰る時に履いた方が良いべっ!!』
#ザッザッ
#ピョンコピョンコ
『つぶやきぃ。
おめえは、ぴょんこぴょんこ跳ねるがら!
ざるだど、拾った石を落としそうだべ??
うさぎが拾う時ぃ…
帰りはどうしたら良いんだべ!?
・・・。
!!
こういう時は!ぽん太郎に聞いてみるべ!
ぽん太郎は、ちいと気難しいところがあるが
あたまが良い奴だがんら!』
丘のふもとに着くと、
たぬきちさんは、神妙な顔で言った。
『つぶやきぃ!
坂は特に、気をつげろぉ!
オラ、この前ここで
すってんころりん
ごろごろ金色の石が散らばっで
すっごく大変だったんだべ~!!!
濡れたくつしたは…滑るがらっ!
坂の前に、ぬぐ~っ!!!』
!! !!
たぬきちさんは、カゴをおろしてくつしたを脱いだ。
『やっぱぁ、素足が一番だな~!』
!! !!
たぬきちさんは、くつしたの匂いを嗅ぎ
目を見開いて笑った。