(闇うさぎ)
第3.3章 【仮題:時空の◯◯◯◯ ~うさぎたちの日記~(夏)】
《闇うさぎ・朝のあいさつ》7月9日
おす! 元気か!
今朝も
オレの洞穴の中で、
カエルのおんな達が
グァッグァッ グァッグァッと
罵りあっていた。
・・・。
まったく…
こいつら、
色気も何もあったもんじゃねえな…!
おんなの争いは、
これ以上、見てられん!!!
#シュタタタッ
パンダの洞穴に遊びに行くと、
パンダが木の枝を使って
穴を掘っていた。
!!!
おめえっ!いつの間に?
素手で掘るのは、やめたのか?!
パンダは、オレに肉球を向けた。
!!!
おめえ…その手…!!
パンダの肉球に
生えていた毛が…
一本もなくなっていた。
すげえっ
あんなにボーボーだったのに…
肉球が、
ツルツルじゃねえか…!
パンダは、
嬉しそうだった。
『土でこすれて、はげたらしい…
もう、生えてこねえと良いんだが』
!!
よし、じゃあよ!
オレ、家から
スコップ持ってきてやるわ!!
手早く、ガンガン掘っちまおうぜ!!!
!!
パンダは首を振った。
『オレ、次は…
木で掘ってみてえんだ。
この木で、
どこまで掘れるか
オレ、見てみてえし…』
#ガッガッガッガッガッガッガッガッ
#ガッガッガッガッガッガッガッガッ
#ゴキッッ
パンダの握っていた木が、
まっぷたつに折れた。
!!!
『これだと、ちと
木が、長すぎたか…』
・・・。
『今度は、短めのにするかな…
でも…
短すぎだと
持ちにくいか?
太めのも良いかもしれん…』
パンダは、
ブツブツ言いながら
洞穴をよじ登り
木を探しにいった。
・・・。
!!!!!
よしっ
木のことなら…
オレにまかせろっ!!!
山で鍛えた、
このオレが!!!!
おめえに
ちょうど良い木を、選んでやるわっ!!!
オレは、
デカくて、長くて、太い木を拾い
パンダに渡してやった。
!!!
パンダは、首を振った。
『ギター、悪い…
オレ、自分で選んでみてえんだ。
オレ、
そういうの…
やったことなかったからよ』
!!!!!!
#なにぃぃいいいいいっ