(闇うさぎ)
第3.3章 【仮題:時空の◯◯◯◯ ~うさぎたちの日記~(夏)】
《闇うさぎ・朝のあいさつ》7月21日
おす! 元気か!
#ガッガッガッガッガッガッガッガッ
#バリッボリッ
#バリッボリッ
パンダの洞窟で、
穴を掘る音と
煎餅をかじる音が、響きわたっていた。
!!!
おい!パンダ、ゲロ美!!
おめえら、聞いてるか?!
だからよ!
オレ、考えてきたわけよ!!!
オレのカラオケを
あいつらから、取り返す作戦を!!
#だって
#あれはオレのなんだからっ
#ガッガッガッガッガッガッガッガッ
#バリッボリッ
#バリッボリッ
あれがねえと、
オレの商売がはじまらねえわけ!!
カラオケ店長たるオレが、
どうして、店にはいれない?!!
こんなの、間違ってるだろっ!!!!
あんな、くそビーバーに
カラオケ店長を取られてなるものか!!!
カラオケ店長たるオレの威厳を、
あいつらに
しっかりと見せつけてやらんと!!!
だから、おめえら
オレに協力してくれよっ!!!
#カラオケ
#タダで歌わせてやっからよ
オレは、
家で書いてきた計画書を、地面に広げた。
見てくれ、この地図。
この◯印が、今の現在地…!
そう!
ここ、パンダの洞穴だ。
そして、この×印。
これが、カラオケを置いてある場所だな!
!!!!!
#そして
#これっ
オレは、方位磁針を
パンダとゲロ美に見せてやった。
オレの計算によれば、
◯印から×印は
ここから、北北東に約38メートル…
#そう
#ここっ
!!!!!
この土の壁を、
北北東にまっすぐに掘り進めれば
カラオケの真下に到着する!!!!
名付けて、
『穴掘り!カラオケ救出作戦』だ!!!!
・・・。
#シーン
穴掘る音と、煎餅をかじる音が
ピタリと止まった。
『おめえ、マジか?!
店から、盗むのか??!』
パンダが、呆れた顔で言った。
『ゲロゲッ?!!
そしたら、ここグァ…
けんちゃん先輩と地下続きで
つながるってことクァ?!!!
閉店あとだったグァ…
あけみの邪魔も、はいらないゲロゲッ!!!』
#すごい
#作戦ゲロッ
ゲロ美が、のけぞって喜んだ。
パンダが、首を振った。
『オレは、やらねえぜ。
この穴は、自分のために掘ってんだからよ。
オレ、
そんなことのために、掘りたくねえわ。
それに、おめえ
カラオケの真下から
どうやって上に、穴掘るんだ??』
!!!!!
#フッフッフッ
おめえ
うさぎのジャンプ力、なめてんじゃねえぜ!!!!
つるはし持って、
ジャンプすりゃあ
一発ずつ、確実に穴があけられる!!!!
#ほれ
#こんな風にっ
!!!
!!!
!!!
オレが、
天井を殴ってやってると
パンダが、呆れた顔でまた言った。
『おめえ、やっぱりバカだな』
ゲロ美が、手をたたいて喜んだ。
『すごいゲロゲッ!!!
これなら、
けんちゃん先輩とわたしの間に
風穴グァ、開くグァッ…!!!』
『店に穴開けて、穴はどうすんだ?!!
そのままじゃあ、
あっという間にバレちまう』
『せっかく開けた
わたしたちの風穴を、
閉じるバカグァ、どこにいるゲロゲッ!!!
そんなの、
物でも何でも
置いときゃ良いグァッ!!!!』
『でもよ…
ここでカラオケしたら、
音漏れして、
すぐバレんじゃねえのか?!
おめえ、どうするつもりだ?!!!!』
!!!!!!
だからよ!
それをみんなで、
考えようって話よ!!!
#ウンウン