(闇うさぎ)
第3.3章 【仮題:時空の◯◯◯◯ ~うさぎたちの日記~(夏)】
《闇うさぎ・朝のあいさつ》7月2日
おす! 元気か!
キミたちに、
伝えたいことが、
すげえ、
たくさんあるのだが…
一気に伝えきれなくて
オレも、
もどかしいぜ…
#ふぅ
この苦境…
一日も早く、
笑える、思い出話しに
なってくれりゃあいいのに…
ーーーーーーーー
パンダは、紙に書いた。
『ビーバーは、オレを助けない』
パンダは、
もう一枚のメモをちぎり
また、
ペンで文字を書いた。
『マスターは、オレを助けない』
パンダは、笑った。
#こっちは
#オレの気持ちだな
パンダは、続けて言った。
『オレ、
ずっと分かってたんだ…
本当に、助けてもらいたい時に
オレは、
マスターには
助けてもらえないってこと。
でもよ…
この場所に、
オレ、
いたかったんだよな。
大事だったんだ…
居場所がなくなるより、
助けてもらえないぐらい、
どうってことねえだろ?
だってよ…
助けてもらいたいなんて、
言う方が間違ってるよな??
#フッ
#だってここは
#マスターの家だからよっ
オレ…
マスターのこと、嫌いじゃねえぜ。
マスターは、
自分に正直で
めんどくせえだけなんだ…
オレ、いちいち傷つくのイヤだから
こう思うことにしてるんだ。
パンダは、また文字を書いた。
『マスターは、誰も助けない』
こうすると、
オレ、気が楽になるんだ…
だから、ギター…
おまえがこの店に来てくれて、
オレ、すげえ面白くてよ!
おめえ、見てると
飽きねえし、
なんつーか…
こんな不器用なやつが
いるんだなあって…
でもよ!!
おめえ、すげえんだもん!!!
一匹でも、死なねえんだろ?!!
一匹でも、
バカみてえに楽しくやっててよ!
そんなやつがいるんなんて…
オレ…
嬉しかったんだわ!!
#パンダは
#泣いていた
ふざけんじゃねえよ…
おめえ、いなくなるなよ!!!
いいか!!
オレは、
マスターに相談なんて
こわくてできねえがな!!
おめえは、違う!!!
おめえは、
ビーバーに見捨てられるぐらいじゃあ
絶対に死なねえだろ?!!
だったら、
安心して
見捨てられて来いよ!!
そしたら、
オレも、諦めがつくってもんだろうよ!!!
何もしねえで、
オレから、いなくなんなよ!!!
おめえが聞かねえなら、
変わりに、
オレが聞いてくるわ!!
パンダは
書いたメモを握りつぶし、
涙をごしごし腕でふいた。
そして
落とし穴をよじ登ると、
思いつめた顔で
店の中にはいっていった。