(闇うさぎ)
第3.3章 【仮題:時空の◯◯◯◯ ~うさぎたちの日記~(夏)】
《闇うさぎ・朝のあいさつ》7月16日
おす! 元気か!
まったく…参っちまうな…!
パンダの洞窟で、
今日も朝から
ウグウグ ウグウグ
ゲロ美の涙が止まらない。
『どうせ、わたしは..
けんちゃん先輩に、忘れられる女グァ…
あけみは、覚えてるゲロゲ
わたしの名前…
どうして忘れるグァ…』
#覚えやすい
#名前グァのに
ウグッ ウググッ
ゲロ美は、かばんから
分厚いノートを取り出した。
『今日も1冊だけ、持ってきたグァ…
けんちゃん先輩とわたしの
思い出メモリアル…』
ゲロ美は、
日記を次々読み上げた。
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【7月14日】
部室で今日は
けんちゃん先輩に、
夏みかんジュースをしぼってあげたグァ。
『先輩!
うちの庭で採れた、夏みかんゲロ。
ちょっと酸っぱいグァ…
しぼりたては美味しいゲロゲッ』
#ゴギュゴギュッ
その時、
みかんの汁グァ、
わたしの目に飛んだ…
#イテテ
#パチクリ
#パチクリ
わたしグァ、目を押さえていると
けんちゃん先輩グァ
わたしの目を覗きこんグァ…
!!!!
ウゲッ
けんちゃん先輩グァ…
わたしを見てる…
『大丈夫グァ??
ゲロ美は、おっちょこちょいだグァ
まあ、そういうとこも
可愛いゲロゲッ!』
!!!!!
せ…先輩…!
わたし、恥ずかしくて
先輩の目、
見つめ返せなクァッた…
もっと、ちゃんと
見ておけば良かったゲロ…
【7月15日】
もうすぐ、夏休みゲロ。
幽霊部員のわたしとしてグァ…
先輩に会える口実グァ
少なくなって悲しい。
マネージャー率、
8パーセントのわたしも
夏休みは、もうちょっと活動した方グァ
良いのかもしれないゲロゲ…
うーん…
先輩だけの
マネージャーだったら、
毎日、部活に行くのにグァ…
邪魔なやつらグァ
多すぎるゲロ…
!!!!
ゲロゲロ!!
夏祭りに、けんちゃん先輩を
誘ってみようクァッ!!!
先輩に、わたしの浴衣姿
見てもらいたいグァ…
【7月16日】
けんちゃん先輩宛てに
昨日の夜、手紙を書いたゲロゲ。
夏祭り、
一緒に行きませんグァって…
今日は
勇気をだして
部室に渡しに行ったグァ…
あけみが、
けんちゃん先輩の隣りに座ってた。
先輩をベタベタ触って…
気持ち悪いったら、ないゲロゲ!
ウゲッ
こいつ、首絞めたろクァ!!!
と思ったグァ…
可愛いわたしでいたいので、
手を押さえつけて、我慢したゲロ。
『先輩、先輩!
ちょっと、こっち来てゲロゲ!』
わたしが先輩を呼んグァら
あけみが来て、こう言っグァ。
『けんちゃん先輩に、なんか用クァ?
用事なら、
けんちゃん先輩の応援担当の
わたしグァ、聞いてあげるゲロゲ』
!!!
・・・。
やっぱ、
くやしいけれど
ただのマネージャーでグァ
先輩専属の応援担当には、勝てないゲロ…
あけみは、
可愛こぶりっ子で、
気持ち悪いほど要領グァ、良い…
ゲロゲロゲッ!!
あいつの化けの皮、
絶対、そのうち
剥がしてやるんだクァら!!!!
#ガッガッガッガッガッガッガッガッ
#ガッガッガッガッガッガッガッガッ
#ガッガッガッガッガッガッガッガッ
#ガッガッガッガッガッガッガッガッ
パンダの穴掘る音と、
ゲロ美の声を聞きながら、
オレは食後の眠りについた。
#zzz