(闇うさぎ)
第3.3章 【仮題:時空の◯◯◯◯ ~うさぎたちの日記~(夏)】
《闇うさぎ・朝のあいさつ》6月7日
おす! 元気か!
今朝、
店に自転車をとめていると
パンダの野郎が
仁王立ちで立っていた。
!!
よお!パンダ!
おめえ、いつもより
早いじゃねえか!!
#ハハハ
#おめえも
#暇だなあ
『おめえを待ってたんだ。
ちょっと、顔かせや』
パンダは、オレの顔も見ずに
落とし穴の中に入っていった。
!!
来て早々、作戦会議か?!
あいつ、すげえ
はりきってやがる!!
#まあ
#いいだろう
あいつも、ついにやる気を出したか。
#フフフ
穴に入ると、
あいつは、オレの顔も見ずに
こう言った。
『オレ、この前
うさぽんと話したぜ。
うさぽん、温泉好きだろ?
だから、誘ってみたんだ』
なんだと!
おめえ、
オレの許可なく
うさぎくんと温泉に?!!
勝手なことを!!
そういうのは
マネージャーを通してもらわんと!!!
パンダは、
オレの顔を見た。
『マネージャー?
だったら、おめえ…
マネージャー、失格だな』
!!!!
#えっ
#今なんて
#失格ってなによ
オレはガッと
頭に血がのぼり
パンダの腹毛を、
わしづかみにした。
・・・。
パンダが
まっすぐ
オレの目を見てやがる。
・・・。
オレは、手をはなした。
#こいつ
#素人のくせに
#分かったような口
#ききやがる
おめえこそ、
マネージャーの仕事を
分かってねえだろ!!
これは、基本中の基本!
マネージャーとして優先すべきことの、
3つの大原則だ!!
オレは、もったいつけるように
パンダの顔の前に
一本ずつ、指を立てた。
#1つ
うさぎくんの、安全を守ること。
#2つ
うさぎくんの、
プライバシーと約束の厳守。
#3つ
目立たず、隠れた天使性。
パンダは、静かにいった。
『だったら、原則の1つ目。
おめえは、
うさぽんの安全が守れてねえな』
ハッ??
なに言ってやがる!!
戦場に連れていかねえのは、
そのためじゃねえか!!!
『うさぽんには
好きな子いるだろう?
おめえ、知ってたか?』
!!!
オレは、口を一文字にむすんだ。
#原則重視
『質問をかえようか。
どうして
マスターだけ、会いに行ける?
戦場で、危ないんだろ?
自分の好きな娘に
マスターが会いに行けるなら、
自分だって
行ってみたくなるもんじゃねえのか?
その辺は、どう思ってる?』
!!
#あっ
#そうか
!!!
#言われてみると
#そうかもしれん
パンダの野郎…
すげえ…
そんなことまで、わかる?!
こいつ、すげえ奴だな!!!
#ガーン
オレが驚いていると、
パンダが言った。
『おめえ、もしかして…
気がつかなかったのか…?』
オレが黙っていると、
パンダが言った。
『オレ、そういう
勘づくのだけは得意なんだ。
できねえこと、
すげえ、たくさんあるけどよ』
パンダは、笑った。
『なあ、オレ達…
作戦、練り直さねえか?』
・・・。
・・・。
!!!
#オレ達の
#作戦会議がはじまった