(闇うさぎ)
第2.2章 時空のゆがみ ~うさぎたちの日記(春)~
《闇うさぎ・朝のあいさつ》5月20日
おす! 元気か!
昨日は穴の中で
パンダと長い時間、作戦を練り続けた。
『親が紹介してくれた娘の住所で…?
おめえ…
恐ろしいほど…バカだな…
そんなことしたら
もう…
なにもかも…ジ・エンド…』
パンダは震えながら
耳をふさいだ。
『もう…オレ…
なにも聞こえない…』
!!!
だから、オレは
パンダの両手を持って
グッと広げてやったんだ。
『これでどうよ?
聞こえるか?!』
!!!
パンダは、首をふった。
!!!!
そんなバカな!!!
聞こえてるに、決まってる!!!
オレはパンダの耳に向かって、
大きな声で言ってやった。
おめえは、おおげさだな!
#ハハハ
まあ、バレりゃあ怒られる。
が…
バレなきゃ、
全然わからねえし!!
だってよ!
オレはただ、
名刺とチラシとクーポンを
渡すだけだぜ!!!
・・・。
パンダの動きがとまった。
おいおい、パンダくん。
聞こえているかな??
もしもし?
もしもーし??
オレは、パンダの両肩をつかみ
ちからいっぱい、
ゆすってやった。
#ハッ
パンダが息をのんだ。
『そうだ…
おめえは、1匹でも死なねえ…
だから
おめえの家族も…大丈夫…』
パンダは地面を見つめた。
!!!
おめえはまた、
変なこというやつだなあ!!
まあ、なんでも良いが、
とにかく、
こんなこと、
たいした問題ではナイスシング!!!
オレはパンダの背中に、チョップを入れた。
ほんでもって、
パンダに相談なのだが!
ビーバー達への紹介、
オレ、どうしたらいいと思う??
ビーバーに紹介するはずの娘、
親が、
オレに紹介してくれたんだわ!!!
#うーむ
#まいっちまったな〜
・・・。
パンダは、また動かなくなった。
おい!!
聞いてるか?!!
オレたちは
うさぎくんを
ぜったいに、助けなくてはならん!!!
#だろっ
#うんうん
ぜひとも、キミのアイデアを求む!!!
パンダは
しばらく地面を見つめていたが
ぽつりと言った。
『オレ…見てみてえな…
おめえらが…
なんともねえとこ…』
パンダは考えながら、話しはじめた。
『おめえと話ししてっと
常識が通じねえ…
オレの常識が…
おめえを見てると、
どんどん壊れてく…
でもよ…
それも
良いんじゃねえかって…
おめえ見てて、思ったわけ…』
そして、パンダの表情が
急に明るくなった。
『おめえ、さっき言ったよな!
こんなこと、
たいした問題じゃないって。
たとえ
バレたとしても…
おめえも家族も
本当に、大丈夫なんだな?!!』
#あたりまえだ
オレがうなずくと、
あいつは嬉しそうな顔をした。
『証明しろ!
おめえ、
大丈夫なとこ、オレに見せろよ!
何があっても、
おめえも家族も…
絶対に大丈夫って!!
オレが、見届けてやっから!!!』
#しかたねえ
#協力してやるわ
#ガハハ
あいつはいい顔で、笑った。