（闇うさぎ）
第2.2章 時空のゆがみ ～うさぎたちの日記(春）～
《闇うさぎ・朝のあいさつ》4月14日
おす！ 元気か！
昨日の夕方になって
やっと、オレの体調は上向いた。
#よし
#見てみるか
恐る恐る
ビデオカメラの映像を再生してみると、
そこには
衝撃の映像がうつされていた…
〜〜余興の映像〜〜
余興の一番手は、パンダとオレ。
酔っぱらって
目のすわったオレが、
アップで映っていた。
オレがマイクで
なんか言ってる…
『みんなぁあ！！
今日はぁ…
集まってくぇてありがとぅ！！
オェは、
カラオケ店長の闇うさぎぃぃ！！
筋肉と恋っ愛…
そして
歌手活動のぉ、経験ぉぉ活かし…
このカラオケでっ
歌指導をしています！
そぇでは！！
オェのオリジナルソング…
ミュージックッ…スタートゥ！！！』
軽快なリズムで、
1曲目『タラの芽ソング』が流れた。
音楽に合わせ、
ごろごろと
パンダが地面を転がりながら
風船のなかに、ねじこまれていく。
そして、
パンダの首から下が
すっぽりと風船におおわれた。
！！！
曲にあわせて、
カッコよく
ポーズもきまった！
次は２番手、マスターとさる。
挨拶もしないで、
マスターが意気込みを叫んだ。
『ギター！負けないグァ！！
約束は、守ってもらうゲロゲッ！！！』
#キィィ
#キキィィ
『わんにゃんソング』の
ギターの激しいリズムに合わせ、
さるは桜の枝を揺らした。
♪♪ワンワンない～
にゃんにゃんない～
！！ ！！
#ゆっさ
#ゆっさ
雪のように舞い散る花びら…
しかし
そこからが計算外だった。
風の影響で、
大量の花びらが
観客席の上に落ちたのだ。
！！
マスターは酔っぱらって、
そのまま
ブルーシートの上に突っこみ…走った。
#シュッチュッ
#タタタッ
料理を食べてる
お客さんの顔や料理を
舌でなめながら、
桜の花びらをキャッチし続けた。
！！！！
#いかん
#客がおどろいてる
あわてたオレは、
パンダと一緒に
客席にかけよった。
ただちに…
風向きをかえねば…！！！
桜吹雪を散らそうと、
オレはストローを口にくわえて
ちからいっぱい客席に
息を吹つけた。
#ぶふぅ
#ぶふぅぅう
#ぶふぅぅぅうう
！！！！！
その時…
目の前から、何か飛んできた。
#ゴンッ
！？？
#あたまが
#すげえいたい
！！！！
#ゴンッ
#ガシュッ
！！？？
#あたまが
#割れそうに痛い
！！
とっさにパンダが
風船でオレを守ってくれた。
#ぼよ〜ん
#ぼよ〜ん
#ぼよ〜ん
！！！
りんごが…下に
たくさん、落ちて…る…
ま、まさか…
みどりちゃんか…
#ゾクゾク
！！
#まずいぞ
#またボッコボコに
！！！
『急げ！逃げるんだ！！！』
〜！〜!!!〜！〜！〜!!!〜！〜
オレ達は
地面に倒れてる
さるとマスターを拾い上げ、
一目散に撤収した。
