(闇うさぎ)
第2.2章 時空のゆがみ ~うさぎたちの日記(春)~
《闇うさぎ・朝のあいさつ》3月23日
おす! 元気か!
盛り上げ上手のオレとしちゃあ、
女子が多い方がテンションが上がる。
コアラの女友達も、
一緒に花見に誘っチャオ!!
そんなオレの淡い下心が
うっかり墓穴を掘る結末に…
コアラは聞いた。
『友達を誘うにしても、
日時と場所はどうするの??』
#しまった
#そうなるか
#こりゃあなんとしても
#さくら山をアピールしねえと
オレは、
パンダと一緒に
さくら山頂上で撮したビデオを
みんなに見せた。
さくら山は、
桜の木の数、見晴らしの良さ
開放感が素晴らしく
この辺りではとても有名で、
ダントツ1位の
人気お花見スポットだ!
オレは力説した。
#やまびこするのも
#気持ちがいいぜ
パンダは言った。
『さくら山だったら
桜の木の数が多いから、
マスターとさるの余興は
まさに、圧巻でしょうね!!
山のような桜の花びらに囲まれて
初めて来る女子にも
実に、盛り上がりそうです!!』
うさぎくんが言った。
『さくら山、登ったことないなあ。
すごい人気みたいですね』
コアラが言った。
『さくら山、
わたしも登ったことがないわ。
でも、頂上まで
けっこう距離があるじゃない?
荷物もあるし
みんな、登れるかしら…』
ゴリラが言った。
『荷物はわたしが持っても良いが、
マスターや女の子たちには
あの距離は厳しいんじゃないか』
さるが鳴いた。
#キィ
#キキィィィ
『そうだな、確かに!
天気が悪かった場合
お店なら雨に濡れない』
ゴリラがうなずいた。
マスターは言った。
『店の桜が、一番ゲロゲ!!』
#練習したとおり
#ここでやりますグァ
!!
#オレは
!!!
#多数決なんて
!!!!
#認めねえぜ
!!!!!!
オレの抵抗むなしく、
結果はくつがえらなかった。