《闇うさぎ・朝のあいさつ 》3月11日

(闇うさぎ)
第2.2章 時空のゆがみ ~うさぎたちの日記(春)~

《闇うさぎ・朝のあいさつ》3月11日


 

おす!元気か!

今日も良い天気だな!!

マスターが

みんなで、

花見をやりたいらしい。

オレにビデオカメラを回せと

えらい

張り切ってやがる。

まあ、良いだろう。

なんてったって、

オレはスマートで気が利くうさぎ!!

花見っつったら

やっぱり余興だろ?!

オレは

パンダを誘いだし、

余興の練習ついでに

さくら山の開花具合を

チェックしに来てやった。

#ぴょんこぴょんこ

オレが軽やかな足取りで

山道を登っていると、

パンダが息を切らして言った。

『ちょっと待て!

おめえ…いったい

どこまで登るつもりだ?』

はっ??

このパンダ、

なに当たり前のこと聞いてやがる。

そんなの、

頂上までいくに決まってんじゃねえか!!

高さ576mから眺める

絶景の桜スポットといったら

近所ではこのさくら山が

ピカイチだぜ!!!

『おめえ、バカか?!

おめえは良いかもしれねえがな、

こんな高え山

店のみんなが登ると思うか?!

良い方向に考えたとしても

ゴリラや

うさぽんは登るかもしれねえ。

だがよ、

あのマスターは…無理だ。

無理無理、

絶対に登らねえ!!』

そう言うとパンダは

水筒の水をゴクゴク飲んだ。

・・・。

こいつ…

夢がねえこと言ってやがる。

オレはグッと我慢して、

パンダに聞いてやった。

おめえはよ、

この山、

頂上までいったことあんのか??

パンダは、

オレの質問を鼻で笑った。

『ねーよ。

登るわけねえだろ、

こんな中途半端な高さの山…

時間の無駄だ』

!!!

こいつ!

言いやがったな!!!

だから、

オレは言ってやったんだ。

たいした高さじゃねえし、

おめえも登ってみろよ。

すっげえ、良い景色だぜ!!

おめえ、

時間はたっぷりあるんだろ?!!

#フウ

パンダは、ため息をついた。

 

山の頂上でオレたちは

うさぎくんが持たせてくれた

弁当を食べた。

#うめえなこれ

パンダは

うなずきながら

静かに景色を眺めた。

パンダは、

ポツリとつぶやいた。

『けっこう…

すぐ行けんだな、こんな山…』

#満開になったら

#もっとキレイなのか

それからオレたちは、

花見の余興について話し合った。

やまびこを使った、

やまびこ腹話術はどうだ?

 

!!

!!!

!!!!

あいつは

やまびこは初めてで、

なかなか声が出なかった。

!!!

オレ以外、

誰も見てねえぜ!!

#腹にチカラいれて
#もっと声だせ

#もっとだ

 

かえり道、

パンダが

坂を転がりたいと言ったので

オレも、つき合ってやった。

#ごろごろ
#ごろりごろり

パンダは

とても気持ち良さそうだった。

 


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