(闇うさぎ)
第2.2章 時空のゆがみ ~うさぎたちの日記(冬)~
《闇うさぎ・朝のあいさつ》1月18日
おす! 元気か!
うさぎくんには
間違いなくオレのチカラが必要だ!!
優柔不断なうさぎくんのことだから、
迷いに迷って…
メニューも
なかなか決められねえだろう!!
オレは週末
うさぎくんに電話をかけた。
!!!
なんだって!!
肉球のヒビが…
デカくなった…?!!』
#料理うさぎにとって
#手は命
この店のかなめは…
うさぎくんの料理であり…
うさぎくんが
美味しい料理を作れなくなれば…
カラオケコーナーにも、客が集まらない!!!
オレの夢がつまった…うさぎくん…
うさぎくんの健康管理は、
言うなれば、オレの仕事だ!!!!
#オレは仕事が出来る
#男うさぎなのだから
そんな訳で、
うさぎくんが
やぎ婆さんとやらに
会いにいくと言うので、
昨日はオレも
うさぎくんに付き合って、
一緒について行ってやった。
やぎ婆さんは…
眼球の鋭い、すんげえババアだった…
うさぎくんが、
ババアに手土産を手渡すと、
嬉しそうに
優しい声を出していたのに…
うさぎくんの肉球を
虫眼鏡でのぞき込んだ途端、
ババアの気配が変わった…
『ウッ…! こ、これは…!!
肉球に✖️印のヒビが…深く刻まれている…!!』
#これはいかん
#不吉さの現れじゃ
そして、オレの顔を見て
ババアは言った。
『オマエは、
隣の部屋に行っておれ!!』
『イヤだね!!
オレは聞く必要があるのだから!!』
オレは言った。
しかしながら、
ババアは分からず屋だった。
オレの顔を、
虫眼鏡でのぞき込み…
大声で叫んだ!!
#オマエの顔も
#不吉じゃーーーーー
!!!
不吉な顔…
そんなこと言われたの…オレは初めてだった。
何が不吉??
オレは生まれつき、この顔だ。
所詮、占いは占い…
ババアが…オレを嫌いなだけだろう…
上等じゃねえか!!
『オレだって…
オマエなんか大っ嫌いだ!!』
オレは捨て台詞を残し、先に帰ってきた。