(うさぎ)
第3.3章 【仮題:時空の◯◯◯◯ ~うさぎたちの日記~(夏)】
《うさぎ・朝のあいさつ》7月7日
おはよう。
昨日はボク、
ドキドキしちゃったんだ。
あんなに目の前で、
女性の恋の話しを聞けるなんて…
#女性って
#積極的なんだな
ノートにメモを取りながら
ボクは思った。
#こんな風に
#ボクも
#できたら良いのにな
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~昨日の回想シーン~
昨日やってきた
カエルの女性達は、
マスターの若かりし頃の話しを
いろいろ教えてくれた。
ゲコ子:
『けんちゃん先輩は
あたち達のアイドルみたいな存在グェ…
とにかく、
泳ぎの早さじゃ有名だったゲロゲ…!
!!
でも、
けんちゃん先輩は…
ただ泳ぎグァ早いだけじゃ
ないんグェッス…
あの、
巻き舌の強さ…!
泳いでる選手の足に
舌を巻きつクェ、
相手の力を
使って進むんグェス…
そして、
最後の最後で
足をひっぱり…
ゴール直前で自分グァ1位に…
それに、
けんちゃん先輩は、
とっても
チャーミングな性格ゲロゲッ…
足をひっぱっても
誰からも恨まれないグァッ…!
たとえ恨まれたとしても、
けんちゃん先輩は…
けんかグァ、すごく強いクヮッら…
女子達の間グェは
とっても
強くって、可愛いって…
評判の先輩だったゲロゲッ…!!』
ゲロ美が、横からチャチャを入れた。
『ちょっと、ゲコ子!
あんた、しゃべり過ぎゲロゲ!!
あんたの顔、
存在感あるんだグァら
話しグァ、入ってこないゲロッ!!!
けんちゃん先輩のことなら
わたしの方が知ってるグァッ!!!』
ゲロ美はそう言うと、
かばんから、
分厚いノートを取り出した。
『今日は1冊だけ、持ってきたグァ…
けんちゃん先輩とわたしの
思い出メモリアル…』
ゲロ美は、
日記を次々読み上げた。
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【7月1日】
けんちゃん先輩みたいに…
どうしたら
そんなに
舌が長くなれるんですクヮ??
先輩にわたしグァ聞いたら、
みんなには内緒だよって
教えてくれたゲロ。
『届け、届けって
あきらめないグェ…
ボクは、舌を伸ばし続けたグァッ!
なりたいって気持ちグァ
大事なんだゲロゲッ!』
!!!
先輩グァ…
わたしの目を見て、教えてくれグァ。
カッコ良かったゲロ…
【7月3日】
けんちゃん先輩グァ、
他校の生徒と
またケンカしたゲロゲ。
からんできた
あいつらの方グァ
絶対、悪いのに…
でも、
けんちゃん先輩、
今日はげんこつで
とどめを刺さなかったゲロ…
なんでゲロゲ??
【7月4日】
けんちゃん先輩グァ
部室で、昼寝してたゲロ。
こんなわたしでも、
マネージャーグァ
つとまるゲロゲ?
けんちゃん先輩の寝顔を見てたら、
急に目が開いて、びっくりしたゲロ。
『ゲロ美、
昨日、校門にいたゲロゲ…』
!!!
先輩…!
気がついていたんグェスか?!!
わたしは、小さくうなずいグァ…
先輩…
どうしてあいつらに
とどめを、刺さなかったゲロゲ??
わたしグァ聞くと、
先輩、笑って言ったんグァ。
『とどめ刺すと
ゲロ美グァ、
またうるさいグァら』
!!!
先輩…
わたし…先輩グァ好き。
【7月7日】
今日は七夕、ゲロゲ。
『けんちゃん先輩、乙姫と彦星は
今日は会えますクヮ??』
わたしが聞いたら、
けんちゃん先輩が答えたゲロ。
『当たり前、ゲロゲッ!!
絶対、会えるゲロッ!
雨雲、追い払ってくるグァッ』
そう言って、けんちゃん先輩は
スタスタと
木の上、高く登っていって…
お空に向かって叫んグァ。
#ゲロゲロゲロゲロゲロゲロゲロゲッ
!!!
けんちゃん先輩!
そんな鳴くから、
もっと
雨グァ降ってきたゲロッ
そう言ったら、
けんちゃん先輩グァ…
わたしを見て、笑った。
#ゲロミゲロミゲロミゲロミゲロミゲロミゲロミ
!!!
先輩、わたし
先輩だけのマネージャーになりたい…!!』
!!!!!!
その時、
あけみが立ち上がり、
両手でパサパサ手をふった。
『も~!
ゲロ美の話は、長いゲロ!
話しグァ
かき混ざってグェ、
本当かどうかも
よく、分からないゲロゲ…!』
その言葉に、
ゲロ美が強く言い返した。
!!!
『失礼グェッ!!
わたしの話は、
フィフティ&フィフティ!!
半分は本当に、きまってるゲロゲッ!!』
!!!!
女性達のケンカがはじまった。