《うさぎ・朝のあいさつ 》7月30日

≪朝のあいさつ≫

(うさぎ)
第3.3章 【仮題:時空の◯◯◯◯ ~うさぎたちの日記~(夏)】

《うさぎ・朝のあいさつ》7月30日


 

おはよう。

昨日はボク、

びっくりしちゃったんだ。

 

~昨日の回想シーン~

!!!

あっ、マスター!

ありがとうございます!!

 

#ピョンコピョンコ

『大変ゲロゲッ!!』

マスターは、

シソの葉を握りしめながら、

大急ぎで戻ってきた。

 

『野菜畑の近くに、

大きな穴グァ

空いてるのを

見つけたゲロゲ。

その穴の入口に、

変な貼り紙が貼ってあったんグァ。

『危険!

闇うさぎ先生、修行中』

って、書いてあったゲロ。

何度も呼んでみたんだグァ、

返事がないゲロゲ…

 

うさぽん!

ギター、

店に来てたのクァ??

元気にしてるグァ??

修行って、なにゲロゲ??』

 

??

えっ、修行?!!

たしか、

闇うさぎくんが

パンダと穴掘りしてるって

前に言ってたけど…

カラダでも鍛えてるのかな??

 

ボクが首をひねっていると、

マスターが

ボクの手をひっぱった。

 

『うさぽん、

一緒に来てゲロ。

ひさしぶりに、

ギターに会いたいゲロゲ。

うさぽんがいたら、

ギターは、

きっと出てくるグァ』

 

マスターに手をひかれて

行ってみると、

地面に大きな穴があいていた。

入り口に

大きな文字で、貼り紙が見えた。

 

『危険!入るな!!

闇うさぎ先生、ただいま修行中です!!!』

 

#おーい

#闇うさぎくーん

#ボクだよ

#うさぎだよー

 

#ゲロゲッ

#ゲロゲロゲッ

 

ボク達が

一生懸命呼んでいると、

うしろからポンと、肩をたたかれた。

?!!

ふりむくと、

パンダが神妙な顔で立っていた。

 

パンダは、小さな声で言った。

『ギターのことで、

マスター、話しがあります。

こっちに来てもらっても、良いですか』

 

ボクも着いていくと、

地面にもう一つ

大きな穴が開いていた。

 

穴の中に、

パンダは

すたすた入っていくと

パンダは落ち着いた声で、こう言った。

 

 

『ギターのやつ、

みんなに迷惑かけたからって、

反省して

過酷な修行をしてるみたいです。

 

・・・。

ギター、言ってました。

ビーバーに、

ちゃんと

金色の石を返したいって。

 

でも、

あいつ、困ってたんです。

カラオケの道具を、

お店のみんなに、

あげちゃったから

稼ぐ手段が思いつかないって…

 

ギターのやつ、

バカみてえに不器用で…

マスターが、

カラオケ欲しがってたからって

とにかくマスターに

カラオケを

あげたかったみたいなんです。

 

普通に渡せば良いものの、

恥ずかしがって

天使のフリなんてするから

面倒くさいことになるんですけど…

#フゥ

 

オレ、

ギターに言われたんです。

天使だってことは、

黙っておいてくれって。

これは、

男のロマンってやつだって。

・・・。

あいつ、

本当にバカですね。

 

いつもお世話になってる

マスターには、

無料でカラオケを

やってもらいたかったって言ってました。

いまから洞穴に

カラオケを持ってこれたら良かったけど、

それじゃあ、

盗むことになっちゃうから

そんなこと、

とても自分には出来ないって…

 

マスター、

すげえ図々しいお願いなんですが…

洞穴に、

お店のカラオケ道具をお借りして

ギターを助けてやっては、もらえませんか』

 

パンダは、あたまを下げた。

 


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