《うさぎ・朝のあいさつ 》7月2日

≪朝のあいさつ≫

(うさぎ)
第3.3章 【仮題:時空の◯◯◯◯ ~うさぎたちの日記~(夏)】

《うさぎ・朝のあいさつ》7月2日


 

おはよう。

今日は早くに目が覚めたので、

朝風呂を楽しんでいるところ。

窓をあけると

鳥のさえずりが聞こえてくる…

『おはよう』

『明日からまた、雨みたいだよ』

『はやく、梅雨が明けるといいね』

#ふぅ

#梅雨明けかぁ

今日も、穏やかな一日になりますように。

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~回想シーン~

マスターが、

ビーバーにジャレついていると…

!!!

店のドアが、バタンと開いた。

!!!!!

あっ!

パンダだ!!

良いところに来てくれたぞ!

#よし

#パンダに
#見ていてもらおう

ボクは、パンダに声をかけにいった。

#ぴょんこぴょんこ

ボクね、ちょっと

パン生地の仕込みだけして

戻って来たいんだ…

こっちもすごい気になるけど

そろそろ

パン酵母も、ボクを待っているから…

 

?!!

(あれっ)

(パンダ、目が真っ赤だな…)

(こわい顔して、どうしたの??)

パンダは、

ボクのあたまをポンとたたいた。

そして、

マスターとビーバーの方に

まっすぐに進んでいき

2匹の前で、ぴたりと止まった。

!!!

#バンッ

パンダが、机をこぶしで叩いた。

『これ…どう思いますか』

 

(ひそひそ…)

(キャッ!)

(ケンカ、ゲロゲ?!!)

(けんちゃん先輩は強いから、大丈夫グァ…!!)

(しー…静かに!)

 

パンダが、こぶしを開くと

手のひらの中には、

ぐしゃぐしゃの紙が

一枚入っていた。

パンダは

無言で紙を広げると、

テーブルの上に置いた。

 

『ビーバーは、オレを助けない』

 

!!!

『これは、なにゲロゲ??』

マスターは、驚いた顔で聞いた。

 

パンダは、言った。

『ギター…

店を出ていくそうです。

相談は、しないそうです。

助けてもらえる、見込みはないから…って』

 

ビーバーが笑った。

『金色の石も払わず、

ボクに、話しもせずに、出てくんすか?

それなら、泥棒と同じ…

最低っすね。

でも、ボク、家は知ってるんで。

店に来なくても、意味ないっすよ』

 

!!!

闇うさぎくんは

泥棒なんかじゃないっ!

ボクには

金色の石ためて

返すって言ってたよ!

それに…

金色の石、50個なんて…

高すぎるんだよ!!!

ボク、毎日楽しくお料理してるけど

金色の石なんて

そうそう

すぐには貯まらないの、知ってるよ!!

 

ビーバーが笑った。

『稼ぎ方を、ただ知らないだけっす。

知らないやつは、

この世の中では、損をするんす。

ボクだったら、

金色の石50個なんて

1ケ月もありゃ、余裕で稼げまっす!』

 

!!!!!

だったらさ!!

闇うさぎくんを、

逮捕なんてしないでくれよ。

だって、友達だろう?!

友達なら、

逮捕なんてしないで、

稼ぎ方を教えてあげればいいじゃないか!!

 

ビーバーは、鼻で笑った。

『はっ?友達…??

ボク達は、友達じゃないっす。

言ってみれば

お互いが、顧客同志…

win-winの関係が築けないなら、

関係は解消するしかないっすね。

ああいう、甘いやつは

一回、痛い目に合えばいい。

そうすりゃあ、

そのうち、目が覚めるんじゃないっすか?』

 

!!!!!

友達じゃない?

じゃあ、なんで毎日

ここに来てるんだよ??

 

ビーバーはまた笑った。

『この店は、ちょうどいいんすよ。

ただで入れるし、料理も旨い

行けば誰かいるし、

いいやつも多いっす。

良い気分転換になりまっすし

それに、

商売まで出来るから最高っす!

でも、

商売に情はいらないっす。

情がはいると、感情が邪魔をする。

だから、

友達だなんて

思わない方がいいんす。

うさぽんも、稼ぐ気があれば

もっと稼げまっすよ!

ボクが教えましょうか?有料で』

!!!!!

ボクは、悲しくなってきた。

闇うさぎくんは、

ボクの大事な友達だし!

ビーバーも、友達だと思ってたんだ。

だって、

毎日一緒に

トランプも楽しかったし

食べながらおしゃべりしたり…

ボク…

ビーバーと

おんなの子の話しするのも

楽しかったよ…

でも

違ったのか…

ボク…そういう考え…

よく分からないなあ…

 

よく分からないけど

ボク、

これだけは、分かるよ。

闇うさぎくんは、ボクの大事な友達だ。

だから、

闇うさぎくんを

逮捕なんてしないでほしいんだ。

 

ボクは、テーブルに置いてあった

貯金箱を開けた。

貯金箱のなかには

金色の石が、2個入っていた。

『全然足りないけど…

キミに、これあげる。

また入ったら

また、キミにあげる。

少し、待たせちゃって悪いけど…

これで

闇うさぎくんを

逮捕なんてしないでくれないか。

 

『うさぽん。

それは、うさぽんの金色の石っすよね。

それに、ギターは

自分で言いにもこない。

そうやって、

うさぽんが

甘やかすからいけないっす。

だから、ギターは

いつまでたっても成長しないんすよ』

ビーバーは、ため息をついた。

 

パンダが口をはさんだ。

『おめえは、知らねえんだ。

助けてもらいたい時に、

助けを求められないやつの気持ちが。

この気持ちは、

傷ついてきたやつにしか分からねえ』

 

ビーバーは、

パンダをバカにしたように言った。

『はっ?

どんな気持ちっすか?

言ってみてくださいよ。

それじゃあ、分からないんで!

あれっ…言えないんすか??

だったら、

無いのと一緒っすね!』

 

(ひそひそ…)

(なに、あいつ…ムカつグァッ!)

(あれは、

おんなにモテないタイプゲロッ…)

(うん…ありゃあ、モテそうにないグァッ)

(けんちゃん先輩…!)

(げんこつ制裁…)

(グァシッと!!

いっちゃってゲロゲッツ!!)

 

!!!!!

その時…

マスターがまくしたてるように

声をあらげた。

『ゲログェッ!!ゲロゲロゲッ!!!

ビーバー…そんなこともわからんグァッ?!!!

だったら、一回死んグェッ、

ギターんに生まれ変わってグァらっ

全部、一から経験してこいグァッ!!!

ボクも…ビーバーグァッ!

友達と…思っていたゲロ…違ったゲロゲッ?!!

毎日…毎日…

一緒に遊んだグァッ…ゲロゲロゲッ?!!!

だったら…

ビーバー専用にメニュー表を

つくるらねえと、グァッッ!!!!』

 

そう言うと、

マスターは

パンダに言って、紙に文字を書かせた。

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友達以外のメニュー表

 

ランチ1食・・・金色の石50個

おやつ1食・・・金色の石50個

 


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