(うさぎ)
第3.3章 【仮題:時空の◯◯◯◯ ~うさぎたちの日記~(夏)】
《うさぎ・朝のあいさつ》7月16日
おはよう。
洗い物をしながら、
コアラは言った。
『マスター、
また、大人しくなったわね。
あけみちゃんが、
となりで、お世話してるからかしら。
それにしても、この前は
びっくりしちゃったわ。
ゲロ美ちゃん、
今日は食べに来なかったけど
落ち込んだりしてないかな』
うん、たしかに…
きっと、
ショックだったと思うな。
だって、
読んでた日記には、
マスターと
とっても親しそうに
書いてあったもんね。
マスターさ、
きっと
お世話されすぎて、
ボケちゃったんだよ。
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~あの日の回想シーン~
『けんちゃん先輩、
わさび、苦手だゲロゲ??
良かったら、
わたし、食べましょうグァッ?』
ゲロ美の言葉に、
マスターはあたまを抱えた。
『わ…わさびが、入ったゲロッ?!!
ゲロゲロゲッ…!
そりゃあ…困ったグァ…』
マスターは、丸まった海苔を開いて
わさびを探した。
#うーん
#どこか分からんゲロ
その時、
あけみが笑っていった。
『気のせいじゃないですクァ??
わさびなんて、
わたし、知らないゲロ。
けんちゃん先輩…
わたしの手巻き寿司、
食べられませんクァ??』
あけみは、潤んだ瞳で
マスターを見つめた。
!!!!!
#ゲロゲッ
#ゲロゲロゲッ
マスターは、
手巻きずしを巻き直して
一気に口に押しこみ…
#もごもごもご
そして、吐きだした。
#ウゲッ
#辛いゲロゲ
!!!!!
あけみに口を拭いてもらいながら
マスターは、
ゲロ美に言った。
『ところで、キミ…
すごい見覚えがあるのだグァ…
名前は??』
!!!!!