（うさぎ）
第3.3章 【仮題：時空の◯◯◯◯ ～うさぎたちの日記～(夏）】
《うさぎ・朝のあいさつ》6月29日
今日は、
闇うさぎくんが
お店に来なかった。
#どうしたんだろう
#風邪でもひいたかな
ボクは、
今日も料理を
作りすぎてしまったので
仕事帰り、
あまった料理を
闇うさぎくん家に
届けに行くことにした。
#ピンポ～ン
こんばんは～。
ボク、うさぎですが
闇うさぎくんいますか？？
闇うさぎくんの
お母さんが出てきて、
首を横に振った。
#えっ
部屋に閉じこもって
出てこない？！！
#ぇぇっ
昼食も夕飯も
閉じこもって
食べてない？！！！
#なにぃいいっ
#それは一大事だ
ボクは
じっとして
いられなくなり、
闇うさぎくんの部屋へ走った。
#ぴょんこぴょんこ
#ドンドン
ボクだよ！
#ドンドンドン
うさぎのつぶやきだよ！！
今日もボク、
いっぱい作ったから
ご飯、持ってきました！！
いっぱいあるよ！！
どれにする？？
#一番のおすすめは
#フランスパンかな
ボクは、
かばんから
フランスパンを取りだし
ドアを少しあけ、
そっと入れてみた。
！！！
そうだ！
ジャムも出さなきゃっ！！
今日は、
ブルーベリーのジャムと
イチゴのジャムも作ったんだ！！
どっちにする？？
ボクは、ドアの隙間から
２つのジャムの瓶を
グッと押しこんだ。
！！！！
そうだ！！
水餃子のスープも
タッパに入れて
持ってきたんだった…
#ゴソゴソ
！！！
どうしよう…
お皿がないな…
#まあいいか
！！！！
#えいっ
ボクはタッパごと、
ドアの隙間に押しこんだ。
あとは…
えーと…
パンとスープを
いま、入れたから…
じゃあ、
次はメインディッシュだな！！
ボクね！
今日は
すごいの
作っちゃったんだ！！
ほら、
ローストビーフ…！！
この前、キミん家で
出してくれただろ？！！
あれ、
すごい美味しかったから！
あっ…タレもあるんだった！！
#ごそごそ
！！！
#ああっ
ボクとしたことが…
切り分けてくれば良かった…！！
ごめんよ！
ボク、うっかりさんだったな…
ちょっと大きいけど、
このままかじってみて！
きっと
美味しいと思う！！
#噛み切れると
#良いんだけども
ボクはローストビーフの
かたまり肉を
ドアの隙間から押しこんだ。
闇うさぎく～ん！！
どお？？
食べてる～？？？
おいしい～？？
まだまだあるよ！！
・・・。
#返事がないなぁ
！！！
きっと！
食べてるんだな！！
ボクはカバンに入っていた
料理をどんどん出して
ドアの隙間に押しこんだ。
#元気だしてっ
#ボクの
#明日の朝食も
#あげちゃうから
？？？
あれっ
甘エビのお刺身…
たしか
２パック持ってきたような…
甘エビね！
すごい、美味しいんだ！
これだけは
ボクも夕飯に食べたくて…
#ごめんね
#ちょっと
#確認させてくれる
ボクは
ドアの隙間を
もう少し開けさせてもらった。
！！！！！
ドアの側で
フランスパンを握りしめた
闇うさぎくんが…
ひざを抱えて泣いていた。
#闇うさぎくんっ
#えっ
#ごめんっ
パン…固すぎた？
歯、大丈夫かな？？！
・・・。
かすかに、
闇うさぎくんの
声がきこえた。
『オレ…たいほ…される…』
？？？
たいほって？？
・・・。
！！！！！
#ぇぇえええっ
