(うさぎ)
第3.3章 【仮題:時空の◯◯◯◯ ~うさぎたちの日記~(夏)】
《うさぎ・朝のあいさつ》6月15日
おはよう。
もっと…手早く!
もっと…美しく!!
もっと、もっと、もっと…
料理の腕を磨きたい!!!
そして、
みどりちゃんに…
美味しい料理を届けに行くんだ!!
ボクの胸は、高鳴っていた。
昨日はオーブンで
3回パンを焼き、
おはぎを100個作った。
さすがに作りすぎちゃって、
みんな食べきれないと言うので
店のとなりの家に
お裾分けに行った。
#ぴんぽ〜ん
#ガチャリッ
!!
かっぷくのいい
カエルの女性が、ドアをあけた。
あっ…あっ…
こんにちは〜。
ボク、となりの喫茶店で
料理してるうさぎです。
いつも、マスターがお世話になってます。
これ…良かったら食べてください。
たくさん作りすぎちゃって…
食べきれなくって…
袋を渡すと、
カエルの女性は、
警戒した目でボクを見た。
『けんちゃんのところの、うさぎグァ?
まさか…
変なもん、入れてないゲロゲ…』
#クンクン
カエルの女性は、袋のにおいを嗅いだ。
いえいえっ…
そんな、そんなっ!
あっ…!
カエルさんは、
味噌あんはお好きですか??
『味噌あん?
食べ物の名前グァ?
知らんゲロ!そんなもんグァ…』
カエルの女性は、ボクをにらみつけた。
!!
良かったら、食べてみてください。
おはぎも入ってますので
柔らかいうちに、どうぞ!!
ボクは
深々とお辞儀をして、帰ってきた。