(うさぎ)
第2.2章 時空のゆがみ ~うさぎたちの日記(春)~
《うさぎ・朝のあいさつ》3月9日
おはよう。
今日のランチは、手打ち蕎麦。
ボクがコアラに
打ち方を教えていると、
パンダが勢いよく
転がり込んできた。
!!!
#うさぽん
#大至急フォローを
??
フォローって??
ボクが聞くと、
パンダが言った。
『いいか!
マスターを全力で、
一緒に盛り上げてくれ』
コアラと一緒に
テラスに行ってみると、
闇うさぎくんが地面に寝そべり
ビデオカメラをかまえていた。
??
闇うさぎくん、
何してるの??
ボクが話しかけると、
闇うさぎくんは
口の前に指を立てた。
#しー
#静かに
なんだ??
地面の土が、
もぞもぞと動いているぞ…
!!!
#土の中から
#マスターの顔があらわれた
マスターは、
空を見上げ
グッと目を細めた。
#ハイ
#カット〜
『マスター!
最高にイケてます!!
なあ、みんな!!』
パンダが笑顔で
ボクたちの方を向いて言った。
!!!
#ぇぇぇえええ
#なにこれ〜
それから、
パンダは拍手をしながら、
ボクらを見た。
!!!
#ぱちぱち
#ぱちぱちぱち
『今のシーン…
ビデオ、見せてゲロゲ』
マスターは、
土からはい上がり
ビデオで自分の顔をチェックすると…
#うん
#うんうん
何度も何度も、うなずいた。
ランチの後にみんなで
ビデオ上映会をしていると、
パンダが笑顔で言った。
『マスターが、
まさか…
俳優デビューするとは!!
ミュージックビデオに出られるなんて
なかなか出来ないから、
マスター、記念になりますね』
#ゲロゲロ
マスターは、
照れくさそうに笑った。
『だったら、
おめえも、出してやろうか!!』
闇うさぎくんが、得意気に言った。
『いやあ…
オレはマスターみたいに
春っぽくできねえからよ。
まあ、遠慮しとくわ…』
ボクは見てしまったのだ…
ビデオ上映会のあと、
テラスで、
闇うさぎくんが
パンダに説教されているところを…