(うさぎ)
第2.2章 時空のゆがみ ~うさぎたちの日記(春)~
《うさぎ・朝のあいさつ》3月4日
おはよう。
今日のランチは、ハヤシライス。
『お手伝いするわ』
コアラに声をかけられ、
お店のキッチンで
今日も一緒に料理をした。
コアラは
色んな話をしてくれた。
コアラのお母さんは
看護師さんをしていて、
週に2回は夜勤があるらしい。
コアラが朝ごはんを作ると
喜んで食べてくれるんだって。
だからコアラは、
もっと料理上手になって
お母さんを喜ばせたいらしい。
コアラは
優しくて、いい娘だな。
『うさぎくん。
お料理、わたしに
もっと教えてくれる?』
!!
ボクは驚いた。
このボクが…教えるの??
ボクの料理は、
本当に自己流で
母さんの味を思い出しながら作ってるし…
気分で味づけを変えたりもするし
教えられることなんて
あるのかなあ…
ボクがもじもじしていると、
コアラは
真面目な顔をして言った。
『前に、闇うさぎくんが
言ってたじゃない?
メニュー表、作ろうって。
わたしも
良いアイディアだと思ったわ。
うさぎくんのお料理、美味しいもの』
!!!
ボクは、
恥ずかしくて
照れくさくて…
何も言えずに玉ねぎを切った。
#トントントン
#感涙